機関投資家動向
シャーミン・モサバルラマニCIOはブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「どの顧客も尋ねるのは、中国が割安に見えることから、最悪のニュースは織り込み済みなのかという点だ」と述べ、「われわれの考えは、中国に投資すべきではないということだ」と語った。
モサバルラマニCIOは、中国経済が向こう10年に着実に減速する見通しを含め多くの理由を挙げた。中国は不動産市場とインフラ、輸出というこれまでの成長の3本柱が弱体化することで苦戦を強いられると予想。中国の政策策定が明確でない上、経済データがまだら模様で、中国投資への懸念を高めていると指摘した。
モサバルラマニ氏は短期的な景気刺激策が打ち出されるかもしれないが、中国の不動産セクターはまだ底打ちしていないと指摘。「データは不透明で、昨年の経済成長率も今年の成長率もよく把握できていない」と述べ、中国は公式に2023年成長率を5%超と発表しているが「大半の人はそれが本当の成長率ではないと考えている」とし、「現時点ではわれわれは中国への投資を顧客に勧めない」と語った。
米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーは、英国の従業員を対象に早期退職パッケージを提示している。世界的にコンサル企業が需要減速を目の当たりにていることがあらためて示唆された。
経営コンサル企業は長い間、ホワイトカラーの景気の目安とみられてきた。マクロ経済環境が不透明な中で、長期的な投資を見送ろうと考える顧客企業が増えており、コンサル企業もコスト削減を模索している。
ヘッジファンドなどのレバレッジドファンドが米国債先物のショートポジションを積極的に解消した。米国債利回りが高水準で推移する中、ヘッジファンドは弱気ポジションを現金化しているように見えるが、この巻き戻しの一部は、先物対現物のベーシストレードの減速を反映している可能性がある。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイ傘下のパシフィコープは、2020年のレーバーデー(労働者の日)にオレゴン州で発生した火災を巡り、少なくとも2930万ドル(約44億円)の損害賠償支払いが命じられた。
大規模なマルチストラテジーファンドの高い手数料とさえないリターンを投資家は疑問視し始めた。一部の投資家は、さまざまな戦略の運用チーム(ポッド)を多数抱える巨大「ポッドショップ」に代わる選択肢を検討することに前向きになっている。
ゴールドマンのリポートによると、大手ポッドショップに対する投資家の関心は23年にピークを迎え、現在は薄れている可能性がある。24年にマルチストラテジーファンドに投資する予定と回答したのは調査対象者の約16%で、前年の31%から減少した。
一方、今年は23年よりも多くの資金配分担当者がこの戦略から資金を引き揚げる予定だと回答している。
カナダの公的年金を運用するカナダ年金制度投資委員会(CPPIB)は今週、大中華圏の上場株チームで十数人を削減した。香港在勤スタッフの10%近くに相当する。事情に詳しい関係者が明らかにした。
CPPIBは今回の人員削減に関する問い合わせに電子メールで回答し、「アクティブ運用管理者として、CPPインベストメンツはマクロ経済要因に加え、個別企業やセクター、国・地域で見いだすリスクと機会に基づき、グローバルに運用手段を継続的に調整している」と説明。「中国は引き続きポートフォリオの重要な一角だ」と指摘した。
株式市場におけるバブルの可能性について、市場ストラテジストの間で意見は分かれている。ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・コスティン氏は、ハイテク株の上昇はファンダメンタルズによって正当化されていると主張している一方、JPモルガン・チェースのマルコ・コラノビッチ氏は、上昇のペースは市場にフロス(泡、細かなバブル)が蓄積していることを示していると分析した。
米商務省経済分析局(BEA)の統計によると、米国の家計は現在、クレジットカードや学生ローンなどの負債に対し、住宅ローンとほぼ同程度の利息を支払っている。
この2つの金利負担がこの数カ月にほぼ同水準であったことは、1970年代にさかのぼるデータでは前例がない。ほとんどの期間、住宅ローンの金利負担は他の約2倍だった。
その乖離(かいり)を示す例がある。 新規住宅ローンのコストは昨年、数十年ぶりの高水準に達したが、ほとんどの住宅所有者が支払う実質金利は歴史的な低水準に近いままだ。一方、連邦準備制度理事会(FRB)によれば、クレジットカードの一般的な金利は20%を超え、過去最高に上昇している。
ニューヨーク連銀が先月発表したところによると、米国全体の返済延滞件数はコロナ禍前を下回っているが、クレジットカードや自動車ローンの延滞件数は、若年層の借り手も含めて増加している。さらに債務負担には偏りがあるようだ。所得の低い世帯や裕福でない世帯は一般的に、最も金利負担の大きい種類の借り入れに依存している。
カーライル・グループやKKRを含むグローバルなバイアウト企業が、旅行用かばんメーカーのサムソナイト・インターナショナルの買収の可能性に予備的な関心を示している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
協議の非公開を理由に匿名を条件に語った関係者によれば、サムソナイトへの買収提案の可能性を検討している他のプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社は、ベイン・キャピタルやCVCキャピタル・パートナーズなど。サムソナイトの少数株主であるDCPキャピタル・パートナーズも、他の買い手候補との共同出資を検討しているという。
バンガード・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、アレス・クートニー氏は、日本銀行が近く金利を引き上げると確信し、日本国債の下落を見込むポジションを最大限にまで積み上げる意向だ。
バンガードの1兆7000億ドル(約250兆円)に上るアクティブ運用資産の一部として債券ファンドを運用するクートニー氏は、年初から日本国債先物の下落に賭けてきた。利上げ見通しが強まり利回りが上昇したため、このトレーディングは既に利益を生んでいるが、クートニー氏はさらに下落余地があるとみて、自身のポートフォリオで許容される上限までショートを増やしつつある。
BofAのマイケル・ハートネット氏がEPFRグローバルのデータを基にまとめたリポートによれば、今月6日までの1週間にテクノロジー株式ファンドから約44億ドル(約6470億円)が流出した。
昨年は株式に対して弱気な見方を維持していたハートネット氏は今年に入り、より中立なトーンになっている。同氏によれば、昨年10月末以降、S&P500種株価指数は25%上昇しており、こうした「異常な時」に株式は「異常な上昇」を示している。想定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ前に株式のポジションは「引き伸ばされている」という。
マグニフィセント7を構成する半導体のエヌビディアは過去最高値を更新。その一方で、アップルとテスラはそれぞれ年初から12%と28%下落した。
UBSは昨年、競合だったクレディ・スイスを30億スイス・フラン(現在のレートで約5000億円)で買収することに合意。それ以降の株価上昇率はおよそ60%に上るが、モルガン・スタンレーは一段の上昇余地があるとみて、目標株価を33フランとした。この目標は、ブルームバーグが調査するアナリストのうちで最も高い部類に入る。
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