機関投資家動向
キャシー・ウッド氏が運用する上場投資信託(ETF)の1本が、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン関連の保有銘柄を大幅に入れ替えた。
ブルームバーグがまとめたデータによると、アーク・ネクスト・ジェネレーション・インターネットETF(ARKW)は27日、グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)の残りの保有株225万株を全て売却した。
アーク・インベストメント・マネジメントの日次データによれば、同日にプロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジー ETF(BITO)を432万株購入し、同ETFの保有者2位となった。
12月上旬にBusiness Insider編集部の単独インタビューに応じた同氏は、当面の株価について驚くほど弱気な見通しを披露しながらも、その口調は終始明るく、滑稽(こっけい)な映画の筋を語ったり、バブルは時に馬鹿げた領域にまで達すると言って笑い声を上げたりした。
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントで副最高投資責任者(CIO)と新興国市場マクロ経済調査責任者を務めるカンダリ氏は1月下旬、米国株優位の時代は終わり、「新興国市場の10年」が始まったと述べていた。
だが、カンダリ氏はデータを深堀りしてみると、単に読みが外れたというよりも、やや違った構図が浮かび上がってくると話す。新興国株指数から中国を除くと、年初来で16%近く値上がりしており、ここ4年で最高のパフォーマンスに向かっているという。
一方で、米国株は「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる人工知能(AI)に関連したハイテク7社が軒並み50-250%上昇して相場全体をけん引しており、これらの銘柄を除くと、米国は欧州と中国を除く新興国市場の双方を下回っている、とカンダリ氏は指摘。「マグニフィセント・セブンを除けば、米国市場は1桁前半の値上がりにとどまっている点に留意することが重要だ。多くの歪みが生じている」とし、新興国市場の10年の始まりとの自身の見立てについて「現時点でさらに確信を強めている」と語った。
その上で、新興国株指数における3割近い中国の比重はいずれ低下し、インドや中南米を含む他の市場がより大きなシェアを占めるようになると同氏は予想。「ベンチマークを見る時代は終わった。これからは進化するインデックスになるだろう」と述べた。
仮想通貨の熱狂的なファンは一発逆転を果たした。ESG(環境・社会・企業統治)の「バブル」は崩壊。こうした動きの背景には、米連邦準備制度による破壊的な金融引き締めがあり、その結果、新たな勝ち組と負け組が生まれた。
「債券の年」は不発に終わったかもしれないが、それでも富豪のビル・アックマン氏は米国債が大きく変動したことで巨額の利益を得た。
パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントを創業した同氏は8月、インフレ率上昇と政府の財政赤字膨張を理由に米30年国債の値下がりを想定した取引をしていることを明らかにした。それは正しかった。10月下旬までに利回りは5%を超え、16年ぶりの高水準に達した。
ほとんどの人が中国について見誤った。ゴールドマン・サックスはMSCI中国指数とCSI300指数の2桁台の上昇を予想、モルガン・スタンレーは昨年12月に中国株をオーバーウエートに転換した。
しかし、新型コロナウイルス対策後の経済再開による復活は実現しなかった。株価はパンデミック前の水準に遠く及ばず、中国の不動産債務危機はさらに多くの企業に広がった。12月20日現在、MSCI中国指数は年初来で14%余り下落している。
ここ数年、世界の株式市場において常に不調だった日本が、投資家の憧れの的となった。経済成長の好転や企業改革の見通し、日本銀行が超低金利政策をやめる準備がようやく整ったという楽観など、幾つかの要因が重なって日本への注目度が高まった。中国の不況とウォーレン・バフェット氏からの支持も寄与した。
アルファシンプレックス・グループのチーフ・リサーチストラテジスト、キャスリン・カミンスキー氏は「幾つかしか存在しないプレーヤーが、自分たちを大き過ぎてつぶせない状態にしている。こうした裁定取引を制限すれば、市場の流動性を低下させることになる」と指摘した。
銀行株高予想を的中させ、著名投資家ウォーレン・バフェット氏より前に商社株に集中投資して利益を上げた資産運用会社オービス・インベストメンツは、次の狙いをドラッグストア業界や中型株に定めている。
「ドラッグストア業界は一般的に地味で飽和状態にある業態と思われがちだ」と、オービス日本法人の時国司社長は語った上で、三つの中期的な成長ドライバーがあり、そのギャップが興味深い投資チャンスと映ると言う。
ドラッグストア株を増やした一方で、減らしたのが商社や銀行株。商社株はバフェット氏の保有を手掛かりに株価が長期にわたり上昇基調にある。同社のファンドでは13年から投資を開始、17-20年ごろに最も存在感が高かった。三菱商事や住友商事は6月までに全株を売却。結果的にほぼバフェット氏と入れ替わるようなタイミングでの売却になったと時国氏は話した。
銀行株は日本銀行の金融政策の変化を先取りする形で今年大きく上昇。オービスによると、同社の日本株ファンドで1月時点の組み入れ比率が8.9%だった三井住友フィナンシャルグループのほか、三井住友トラスト・ホールディングスも株高とともに保有比率を落とした。
オルタナティブ資産運用会社のブラックストーンは2023年の不動産投資の半分以上を英国を含む欧州資産に割り当てた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。
同紙によると、金利上昇により物件価格が割安になったことを受け、同社は世界の不動産投資の55%を欧州に振り向けた。通常は米国に最も多く投資し、欧州には20-30%を割り当てていたという。また、新規不動産への投資総額を2022年の約470億ドル(約6兆7000億円)から、23年1-9月は約90億ドルに削減したとFT紙は伝えた。
ブラックストーンの不動産部門グローバル共同責任者、キャスリーン・マッカーシー氏は、400億ドルの「ドライパウダー(ファンドがまだ投資に回していない待機資金)」を保有しており、不動産市場の中で「キャッシュフローが大きく増加し、需給のファンダメンタルズが良好な」部分をターゲットにしていると述べている。そうした対象には物流倉庫やデータセンター、アパート、学生寮などが含まれるという。
ノルウェー最大の年金基金KLPは、人権侵害を助長する懸念があるとして湾岸諸国の企業から1500万ドル(約21億円)相当の投資を引き揚げた。また気候変動リスクを理由にサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコを投資対象から除外することを決めた。
運用資産700億ドルのKLPは、サウジアラビアやカタール、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェートに上場する12社を投資対象のブラックリストに掲載した。KLPによると、人権侵害に加担する「容認できない」リスクを主に反映している。一方、アラムコは環境への悪影響という点から投資から外された。
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