機関投資家動向
600億ドル（約９兆円）規模のクオンツヘッジファンド運用大手、米ツーシグマ・インベストメンツは、プライベートエクイティー（ＰＥ、未公開株）インパクト投資部門をスピンアウトする方針だ。内部の不満が背景にある。
ヘッジファンド管理会社シトコのデータによると、マクロファンドの７－９月期のリターンは資産加重ベースでプラス3.07％。これとは対照的に、マルチ戦略ファンドと株式ファンドはそれぞれ0.1％と0.5％前後のマイナスリターンとなった。ただ、年初来ではこの２つの戦略が依然として上位２位を占めている。
アジアのマクロヘッジファンドは年初来のパフォーマンスで、世界の同種ファンドを圧倒している。円安や人民元安を見込んだ取引や、オーストラリア・ニュージーランド資産のレラティブバリュー・アービトラージ（裁定取引）が寄与した。ユーリカヘッジの指数によると、アジアのマクロファンドは１－９月期に平均7.7％のリターンを上げた。
ブルームバーグの報道によると、資産家クリス・ロコス氏が率いる英ヘッジファンドのロコス・キャピタル・マネジメントは、９月までの１年で約７％のリターンを記録。今年に入り一時15％のマイナスとなっていたが、ここ数カ月で運用成績が好転したという。
英マン・グループ傘下マンＦＲＭのアダム・シングルトン最高投資責任者（ＣＩＯ）はビデオ会議で、「１－３月（第１四半期）と４－６月（第２四半期）は特に株式のボラティリティーが低下したほか、政策の動きが若干止まった時期もあり、明確なシナリオがないことでマクロファンドにとってより厳しい状況となった。多くの運用者は政策の次の展開を待っている」と語った。
需要の増加や賃金上昇、サプライチェーンの混乱でコスト増は世界各地で生活の一部となっている。だが、企業が過去数十年にわたって値上げを避けてきた日本では、約40年ぶりの水準に達したインフレ率が衝撃を与えている。
枝さんのような若い世代はこうした状況にますますうんざりしている。より古い世代の人々は貯蓄の半分余りを現金・預金に置いても購買力が低下することはなかったが、若い世代は資産を増やすか、少なくとも目減りしないようにするための方法を探そうとしている。
ピクテ・アセット・マネジメントのロンドン拠点で約1000億円を運用するファンドマネジャー、サム・ペリー氏によれば、インフレ高進とＮＩＳＡ制度の改正は、ついに個人投資家を市場に呼び戻すのに十分なものになる見込みだ。「これは極めて大きな変化であり、非常に異なる環境だ」と語った。
ブルームバーグのポッドキャストでのインタビューでウッド氏は、３つの資産クラスのうち10年間保有する資産は何を選ぶかという質問に対し、「ビットコインで決まりだ。ビットコインはカウンターパーティーリスクがなく、インフレとデフレの両方でヘッジ策になるからだ。金融機関もほぼ関与していない」と答え、ビットコインは「デジタルゴールドだ」と述べた。
米国債の投資妙味が増し、今後１年で現金を上回るパフォーマンスになる見通しだと、ゴールドマン・サックス・グループの資産配分戦略責任者クリスチャン・ミューラーグリスマン氏が指摘した。インフレ減速や主要中央銀行による金融引き締め策終了が背景にある。
ゴールドマンは最近、米国債の投資判断を2020年６月後で初めて「アンダーウエート」から「中立」に引き上げたが、まだ「オーバーウエート」にはしていない。ミューラーグリスマン氏は今こそ、購入し始める時期かもしれないとみる。
テラ・キャピタルのマシュー・ラングスフォード氏、セグラ・キャピタルのアーサー・ハイド氏、アナコンダ・インベストのルノー・サリュエ氏ら運用者は、エナジー・フュエル、ウル・エナジー、ネクスジェン・エナジーなどウラン関連銘柄のポジションを積み増している。
Terra Capital’s Matthew Langsford, Segra Capital’s Arthur Hyde, Argonaut Capital Partners’ Barry Norris and Anaconda Invest’s Renaud Saleur are among managers building bets on uranium companies such as Cameco Corp., Energy Fuels Inc., Ur-Energy Inc. and NexGen Energy Ltd.
英ヘッジファンド、アルゴノート・キャピタル・パートナーズ（ARGONAUT CAPITAL PARTNERS LLP）の創設者、バリー・ノリス最高投資責任者（ＣＩＯ）は、水素は予見できる将来にもうけたい投資家にとって損な賭けだと述べた。ノリス氏はインタビューで水素について、「残念ながら、完全に時間の無駄だ」と指摘。「多くのこれらの企業のビジネスモデルがうまくいくかどうか懐疑的」であることが、水素関連でショート（空売り）ポジションを取り、株価下落に賭けている理由だと説明した。ショートポジションの対象企業については詳述を避けた。
https://speculationis.com/institutionalinvestortrend_20230910-16/
豪シドニーを拠点とするテラ・キャピタルで天然資源ファンドを運用するラングスフォード氏は、ウラン価格の今後の見通しは「株価が50％か100％、場合によってはそれ以上の劇的な上昇となる可能性」を意味すると指摘した。
福島第一原子力発電所事故のショックを受けて多くの国が原発への依存を見直してから10年余りがたった今、原子力発電は将来の低炭素社会への移行に不可欠な柱としての地位を固めている。これを受け、ウラン価格は2020年以降125％上昇している。
ヘッジファンド運営会社ツーシグマ・インベストメンツでシニアバイスプレジデントを務めるリサーチャーが、自分の報酬を増やすためにヘッジファンドの投資モデルを無許可で調整した結果、一部のファンドで損失が発生する一方、他のファンドで大きな利益が生じたと米紙ウォールストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）が報じた。米証券取引委員会（ＳＥＣ）もこの件を調査しているという。
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