機関投資家動向
HITEヘッジ・アセット・マネジメントの創業者ジェームズ・ジャンペル氏は、石油は長期的には勢いを失うとの見方を変えていないが、石油を巡る地政学的問題などによって、その時期は以前の想定より遠のいており、化石燃料生産関連株の空売りは通用しなくなったと指摘した。
数千ものミューチュアル・ファンドの中で、過去5年、10年、15年でナスダック100指数を上回る成績を挙げたのは正真正銘たった1つしかない。バロン・キャピタルが運用する「バロン・パートナーズ・ファンド」は投資対象の銘柄を20社程度に絞り込み、そのほぼ全てで利益を上げることでこれを達成した。
成功の秘訣(ひけつ)は、イーロン・マスク氏のような起業家に対する揺るぎない信頼と、何かおかしなことがないか出資先の企業にほぼ毎日電話をかけて確認するほど疑心暗鬼になることだと語る。
し、バロン氏の成功例は業界の常識に反するものだ。少ない銘柄への集中投資で主要株価指数のアウトパフォームを狙う戦略は、往々にして散々な結果を招くことが多いとされる。アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、テスラ、メタ・プラットフォームズの大型ハイテク7社が主導する「マグニフィセント・セブン」の時代は特にそうだ。
元ニューヨーク大学の教授でクオンツ運用者のアンティ・ペタジスト氏は最近の論文で、集中投資戦略の大多数は大失敗に終わる公算が大きいと論じた。まれな場合を除き、この投資手法が成功するには市場で勝ち組となる銘柄が少な過ぎることが理由だという。
バロン氏と共にファンドを運用する息子のマイケル・バロン氏は「保有銘柄の数が少ないため極端な集中投資のように見えるかもしれないが、各銘柄が異なる動きをする」と説明する。その上で「われわれはハイテクやハイグロースの銘柄だけを保有しているわけではない」と語った。
Baron Partners Fund (BPTRX)
組入上位銘柄 | 組入比率 |
TESLA INC ORD | 45.98 |
COSTAR GROUP INC ORD | 9.46 |
ARCH CAPITAL GROUP LTD ORD | 7.03 |
IDEXX LABORATORIES INC ORD | 5.81 |
SPACE EXPLORATION TECHNOLOGIES CORP | 5.53 |
HYATT HOTELS CORP ORD | 5.51 |
CHARLES SCHWAB CORP ORD | 4.26 |
FACTSET RESEARCH SYSTEMS INC ORD | 4.23 |
VAIL RESORTS INC ORD | 4.02 |
IRIDIUM COMMUNICATIONS INC ORD | 3.59 |
BofAは円高に対するヘッジとして、ドル・円の6カ月物リスク・リバーサル(RR)の購入を推奨した。一方、この取引戦略に対するリスクとして、世界経済が減速する中でも米国で「ゴルディロックス」の状況が続くことを挙げた。
キャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストメント・マネジメントは、テーマ別上場投資信託(ETF)運用会社ライズETFを買収した。こうした投資が始まったばかりの欧州市場参入に向けたこれまでで最も積極的な動き。
アーク・インベストメント・マネジメントを率いるウッド氏は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が2024年に利下げを開始する可能性があると指摘。米国の利下げは、ウッド氏が長年選好している投資戦略に有利に働くと、同氏はみている。アークは19日、テーマ別上場投資信託(ETF)運用会社ライズETFの買収を発表。こうした投資が始まったばかりの欧州市場参入に向けたこれまでで最も積極的な動きとなる。
ウッド氏は、インフレとの闘いで世界の中央銀行が利上げを実施する中、同氏のETFが昨年苦戦したことを認めた。ただ同氏が手掛けるファンドの多くは、今年に入りこれまで2桁のリターンを上げている。年初来リターンは旗艦ファンドのアーク・イノベーションETF(ティッカーシンボル:ARKK)が約33%、アーク・ネクスト・ジェネレーション・インターネットETF(同ARKW)は46%だ。
「どちらかと言えば、イノベーション(革新)は困難な時期に勢いを増す」とウッド氏。「われわれのポートフォリオが今年アウトパフォームしているのは、厳しい環境になりつつある中でシェアを拡大しているからだ。われわれは一歩ずつ取り戻していく」と語った。
ピムコのエグゼクティブバイスプレジデント、マルシオ・ボゴリシン氏によれば、日本を除くアジアの運用資産は8月時点で昨年末から20%増加した。アジア太平洋地域の運用資産総額は現在、約600億ドル(約8兆8700億円)に達している。
金利上昇で安定した利回りを求めて債券に投資する投資家が増えており、多くのアジアの顧客が大きなリターンを追い求めていた時期から状況は一変した。同社は、富裕層がプライベートクレジットに振り向ける資金を増やすともみている。
ボゴリシン氏はシンガポールでのインタビューで、「今は質の高い債券ポートフォリオで7%前後の利回りが得られ、非常に魅力的だ。アジアの顧客はここ1年半の市場のボラティリティーを踏まえ、より安定した投資先をさらに幅広く求めている」と述べた。
エバーバンクの世界市場担当プレジデント、クリス・ギャフニー氏は「多くの投資家は、金融当局が市場の予想に合わせるのを待っていた。当局が市場とより合致するよう調整すると思っていた」とした上で、「しかし当局が立場を変えなかったため、市場が当局に合わせざるを得なくなっている」と説明した。
HSBCホールディングスによれば、金融当局が金利をより高くより長く維持するというメッセージを堅持すれば、実質利回りが上昇し、より広範囲な売りに拍車が掛かる可能性があるという。
このようなリスクオフの状況において、マルチアセット運用で魅力的と考えられるのはドルだけで、コモディティーにも可能性はある。
グリフィン氏は18日夜放送予定のCNBCとのインタビューで、デサンティス氏は「米国全体に向けて、フロリダ州は雇用を創出したい企業に対しオープンだということを明確にする必要がある」と述べ、「ディズニーとの闘いはそれに反している」と付け加えた。
ボースウィックCFOは20日、同行主催の会議で「個人消費が前年比4%増となっている状況で米国がリセッションに陥るとは予想し難い」とし、「リセッション入りするとしても極めて軽度、また先送りされるというのがコンセンサスだろう」と述べた。
米国においてクレジットカードとデビットカードによる支払いは高水準となっており、消費者は依然としてモノや旅行への支出を続けていると、ボースウィック氏は指摘。同時に、消費者の資産の質は「非常に高い」状態が続いていると述べた。その上で、「将来どこかの時点でリセッションに陥る可能性はあると、われわれは予想している。当行のエコノミストはその予想をかなり先延ばししている」と語った。
パインブリッジ・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ジェレミー・バートン氏は電子メールで「投資家の間でマクロ的な見通しが改善し、高い確率で『ソフトランディング』シナリオが見込まれていることによるものだ」と説明した。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の世界のファンドマネジャー調査によると、成長鈍化とインフレ抑制に向けた中央銀行の引き締めにもかかわらず、回答者のほぼ4分の3が、経済は少なくとも景気後退を免れると予想している。バートン氏によれば、その結果デフォルト(債務不履行)予想が低下し、クレジット市場の見通しが改善しているという。金利上昇は、多額の負債を抱える借り手に打撃を与えるリスクがあるにもかかわらずだ。
ニューフリート・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、フランク・オシノ氏は、景気による後押しと高いローンの利息を理由に「今年いっぱいは需要が堅調に推移するだろう」と述べた。
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