マッキンゼーからPwCまで:エリートコンサル企業がエンジニア採用と全社員へのAI教育を急ぐ理由(From McKinsey to PwC, here’s how elite consulting firms are racing to hire engineers — and train everyone else in AI)

以下は

Here's how elite consulting firms are racing to hire engineers — and train everyone else in AI
Business Insider spoke to nine executives and industry insiders about how consulting's talent recruitment is changing.

の翻訳です。


AIは、コンサルティング業界で働くことの意味を根本から変えようとしています。

  • テクノロジスト(技術者)職の需要が急増しており、各社は人材戦略の軸を「リスキリング(スキルの再開発)」へとシフトしています。
  • Business Insiderは、9人の経営幹部や業界関係者に、AI時代に求められるスキルについて取材を行いました。

AIの台頭により、コンサルタント業界は史上最大の人材刷新を迫られています。

かつての「スライド資料の作成や助言(アドバイザリー)」中心の業務から、数年がかりのAI主導の変革プロジェクトへと移行する中で、ボストン コンサルティング グループ(BCG)、マッキンゼー、PwCといったトップ企業が求める「理想のコンサルタント像」が変わりつつあるのです。

デロイト米国法人の元AI責任者で、7月にAIスタートアップのTeragoniaへ移籍したガート・デ・ゲイター氏は、「クライアントに対し、単にコンサルタントの大群を送り込むという提案は、もはや通用しません」と語ります。同氏によれば、企業がいま求めているのは「純粋な従来型コンサルタント」ではなく、「ジェネラリストと技術の専門家」のハイブリッド人材です。


テクノロジストにとっての「黄金時代」

コンサルタントの業務内容は変貌を遂げています。単なるアドバイザリー(助言)プロジェクトは、企業のツール構築、導入、保守へと取って代わられ、調査スキルよりもテクノロジーの専門知識が求められるようになりました。

採用データは、トップ企業がいかに猛烈な勢いで技術者層を拡大しているかを物語っています。

  • アクセンチュア: 最新の年次報告書によると、過去2年間で約4万人のAI・データ専門家を増員。現在、全世界の従業員の約10%を占めています。
  • EY: 2023年以降、6万1,000人のテクノロジストを採用。
  • マッキンゼー: 労働市場分析のRevelio Labsによると、「AIエンジニア」がエントリーレベル以外の職種で最も急速に成長
  • BCG: エントリーレベルでは、ソフトウェアエンジニア、フロントエンド開発者、Python開発者が最も成長している職種です。

2022年末にテクノロジー・AI部門「BCG X」を立ち上げて以来、技術者採用を加速させているBCG Xのグローバルリーダー、シルヴァン・デュラントン氏は次のように語ります。

「私たちは本質的に、コンサルティングファームの中に『テック企業』を構築しているのです。私たちの仕事は常に企業の変革を支援することでしたが、今やテクノロジーが変革に不可欠となったため、自らそれを掌握する必要があったのです」

また、通常のコンサルティング部門でも、パランティア(Palantir)が普及させた役割に着想を得た「現場配備型コンサルタント(Forward Deployed Consultants)」という新チームが台頭しています。彼らはクライアントのプロジェクト現場で「バイブ・コーディング(AIを活用した自然言語によるコーディング)」を行いながらツールを構築し、それが成功すればR&Dチームへ戻して汎用ツール化するというサイクルを回しています


「二つの世界」を往来できる人材

マッキンゼーやBCGにとって、AI時代に不可欠な人材とは「純粋なエンジニア」でも「純粋なコンサルタント」でもありません。その「二つの世界」を行き来できる人材です。

マッキンゼーのシニアパートナーで、AI部門「クオンタムブラック(QuantumBlack)」の共同責任者を務めるアレックス・シングラ氏は、同社が求める人材を「5X人材(5Xers)」と呼びます。

「一つの分野に深く精通しながら(Deep)、他の3〜4つの異なる分野もこなせる人材です。私たちは、優れたマッキンゼー・コンサルタント、あるいは優れたテクノロジストになる素養を持つ人物を見つけ、その両方になれるよう育成したいと考えています」

シングラ氏によれば、候補者側もまた「AWSのようなクラウド企業で製品開発に没頭するだけ」でも、「従来のコンサルタント」でもない、ハイブリッドな役割を求めているといいます。


避けて通れない「リスキリング」の責務

パンデミック時の需要急増に伴う大量採用が落ち着き、アドバイザリー業務への需要が減速したことで、多くのファームが人員過剰に陥り、レイオフ(一時解雇)や厳格な選考に転じました。

こうした市場環境の変化により、若手を大量に抱える従来の「ピラミッド型モデル」は、人手(マンパワー)よりも価値(バリュー)を提供する役割へと再編されつつあります。

  • PwC:企業内でAIを機能させられる専門家は不足しているため、既存の従業員のスキル向上(アップスキリング)に注力せざるを得ない」とパートナーのサウラブ・サルバリヤ氏は指摘します。
  • KPMG: 採用よりもスキルアップを優先。
  • EY: 全従業員の約4分の1にあたる約10万人が、AIエンジニアリングやコンプライアンスなどのコースを修了し、デジタルの「AIバッジ」を取得しています。

それでも「ソフトスキル」が重要である理由

技術職の需要は高まっていますが、だからといってコンサルタントがシリコンバレー風のパーカー姿ばかりになるわけではありません。業界の大部分は依然として、高い問題解決能力とコミュニケーション能力を備えた「ジェネラリスト」であり、彼らは今もスーツを着て仕事に臨んでいます。

多くのクライアントは、まだAI導入の初期段階にあります。そのため、高度すぎるエンジニアリングよりも、「適切なデータガバナンスの構築を支援し、将来のAI活用に備えさせる」といった役割が非常に重要なのです。

また、AIが定量的なタスクをこなせるようになった今、ソフトスキル(人間力)の重要性が増しています。

  • KPMG: 採用時に最も重視するのは「アティチュード(姿勢)」、そしてAIにはできないコミュニケーション、コラボレーション、アジャイルな学習能力。
  • マッキンゼー: 依然として大学や大学院からの新卒採用に積極的ですが、選考では「判断力」「概念的思考」「レジリエンス(回復力)」を重視しています。

マッキンゼーのテクノロジー・AI部門グローバルリーダー、ケイト・スマージェ氏はこう締めくくります。

「分析能力という土台の上に、人間関係を築く力やリーダーシップといったEQ(心の知能指数)が加われば、それは魔法の粉(フェアリーダスト)のように、あなたを特別な存在にします。私たちが本当に求めているのは、どん欲に学び、未知のことに好奇心を持ち、『学び、学びを解体し、再び学び直す(learn, unlearn, and relearn)』ことができる人材なのです」


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