今週の投資戦略
共通点
- 金融およびヘルスケアセクターの選好 モルガン・スタンレーとバロンズはともに、金融およびヘルスケアセクターを有望視しています。モルガン・スタンレーは両セクターにおける能動的な銘柄選択(アクティブ・マネジメント)を推奨しています。バロンズは金融株の中で、ハイテク株並みに高騰し割高となっているゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーよりも、バンク・オブ・アメリカとJPモルガン・チェースを有望な投資先として推奨しています。またヘルスケア関連銘柄として、AIを活用したコスト削減やイノベーションの恩恵を受けるイーライリリー、インテュイティブ・サージカル、ナテラ、エドワーズ・ライフサイエンス、メドラインの5社を推奨しています。
- 代替資産としての金(ゴールド)の高評価 モルガン・スタンレーはインフレリスクが継続する中で、金を引き続きアウトパフォームする実物資産としてオーバーウェイトを推奨しています。バロンズも、各国の中央銀行が地政学的リスクや米国の政策・財政赤字への懸念から米国債の保有比率を減らして金の保有を増やしており、米ドルに対する強力な代替資産として注目しています。
- AI関連投資における周辺領域や実用化・インフラへの注目 3者とも単純なAI開発企業だけでなく、AIの活用やインフラを支える領域に注目しています。モルガン・スタンレーは、AI技術を導入・活用する企業(インプリメンター)へのエクスポージャーを獲得することを推奨しています。バロンズは、AIデータセンター新設に伴う骨材需要などの恩恵を受ける建材・インフラ関連銘柄のCRH、セメックス、アムライズを推奨し、前述のヘルスケア企業への恩恵にも言及しています。CBインサイツは、AIの焦点が単なる機能から複雑なワークフローへの展開や統治へと移行しているとし、AIエージェントの運用ルール(ID管理やセキュリティ)の構築や、複数の自律型ロボットの連携システム、そして非テキストデータや希少データへのアクセスといった独自のデータ優位性を持つ企業が競争力を持つと分析しています。
- 巨大ハイテク株や市場の極端な集中に対する警戒 モルガン・スタンレーは、情報技術セクターや巨大ハイテク株(メガキャップ)のモメンタム株への極端な集中を減らし、米国グロース株中心のポートフォリオから脱却することを推奨しています。バロンズも、アップルについてはWWDCでの発表による株価上昇を期待せず長期的な視点を持つよう示唆し、ゴールドマン・サックスをバリュエーションの限界から慎重な見方にとどめ、スペースXの超大型IPOについても現在の企業価値は極めて割高であるため上場直後の購入は見送り、株価が公正価値近辺まで下がってから購入するよう推奨しています。
相違点
- ポートフォリオの基本方針と投資対象地域のスコープ モルガン・スタンレーは、米国市場の例外的な優位性が転換点を迎えているというマクロな視点から、米国偏重のポートフォリオから脱却し、米国以外の地域や新興国市場(特にインド、日本、ブラジル、メキシコ)の株式を追加するグローバルなリバランスを推奨しています。一方バロンズは、株式市場のボラティリティ上昇は資金が市場から完全に流出しているのではなく他のセクターや有望な銘柄へシフトしている短期的な調整の兆候とみており、動揺せずに米国市場での投資を継続することを推奨しています。CBインサイツはマクロ経済やグローバルな資産配分には触れず、AIエージェントの展開やデータ優位性といったテクノロジー業界特有の動向に特化しています。
- インデックスファンドおよびパッシブ運用に対するスタンス モルガン・スタンレーは、米国偏重の時価総額加重インデックスやパッシブ運用への依存度を引き下げ、能動的な銘柄選択やバリュー株、大型優良株への投資へ移行することを明確に推奨しています。対照的にバロンズは、S&P500指数に連動するETFの中で、低い手数料や配当の自動再投資を理由にバンガードS&P500ETF(VOO)を選好し推奨しています。
- 固定収益(債券)および特定の代替資産に対する具体的な戦略 モルガン・スタンレーは、米国の投資適格クレジット(社債)や地方債を選好し、名目金利の正常化を見込んで米国債のデュレーションをベンチマークより短く維持するという具体的な固定収益戦略を提示しているほか、ヘッジファンドの配分増や、プライベート市場の配分を中立に維持することを推奨しています。バロンズはスポーツベッティング関連(ドラフトキングス、フラッター)について大部分のアナリストは買いを維持する一方で売りを推奨する見方もあるという個別銘柄の見解を紹介していますが、債券やヘッジファンド、プライベート市場に関する具体的な投資戦略の提示は行っていません。
GIC Weekly by Morgan Stanley
📉 投資戦略の推奨事項
- 基本方針:
- 過去15年間続いた米国市場の例外的な優位性(アメリカ例外主義)は転換点を迎えており、今後はより困難な正常化とグローバルなリバランスの時期に入ると予測されています。
- 受動的(パッシブ)、米国グロース株中心、プライベート資産偏重といった過去のポートフォリオから脱却し、能動的(アクティブ)な管理、マルチアセット、グローバル、そしてバリュー指向のポートフォリオへ移行することが推奨されています。
- 株式と債券の相関が正に転じていることなどから、従来の60/40ポートフォリオの分散効果が疑問視されており、より広範なセクター、資産クラス、地域への包括的な分散が不可欠であるとされています。
- 株式/エクイティ:
- 購入推奨・選好(オーバーウェイト):
- 米国偏重の時価総額加重インデックスからバランスの取れた配分へ移行し、米国以外の地域や新興国市場(特にインド、日本、ブラジル、メキシコ)の株式を追加することが推奨されています。
- 割安感のあるバリュー株や、大型優良株(クオリティ株)への投資が推奨されています。
- スタイルバイアスを中立化し、AI技術を導入・活用する企業(インプリメンター)へのエクスポージャーを獲得することが推奨されています。
- 金融、エネルギー、ヘルスケアといったセクターにおいて、能動的な銘柄選択(アクティブ・マネジメント)を行うことが推奨されています。
- 売却・縮小推奨(アンダーウェイト):
- 情報技術(テクノロジー)セクターや、巨大ハイテク株(メガキャップ)のモメンタム株への極端な集中を減らすことが推奨されています。
- グロース株全般やパッシブ運用への依存度を引き下げるよう推奨されています。
- 購入推奨・選好(オーバーウェイト):
- 固定収益(債券):
- 購入推奨・選好(オーバーウェイト):
- 米国の投資適格クレジット(社債)や地方債が選好されています。
- 慎重・縮小推奨(アンダーウェイト):
- 長期的な名目金利の正常化(5%〜6%への上昇)を見込み、米国債のデュレーションをベンチマークより短く維持することが推奨されています。
- 購入推奨・選好(オーバーウェイト):
- 代替資産/その他:
- 購入推奨・選好(オーバーウェイト):
- ヘッジファンド: クロスアセット相関の不安定化や市場のボラティリティ上昇、構造的な金利上昇を背景に、配分を増やすことが推奨されています。
- 実物資産: インフレリスクが継続する中で、金(ゴールド)、住宅用不動産、インフラストラクチャーが引き続きアウトパフォームするとして、オーバーウェイトが推奨されています。
- 慎重・維持(マーケットウェイト):
- プライベート市場: 流動性プレミアムの縮小や過去のような高いリターン(年率20%から10%程度へ)の低下が見込まれるため、投資配分は中立(マーケットウェイト)を維持し、日次で流動性のある公開市場(パブリック市場)での機会を再評価することが推奨されています。
- 購入推奨・選好(オーバーウェイト):
Global-Investment-Office-Insights
Barron’s Digest
📉 投資戦略の推奨事項
- 基本方針:
- 株式市場でボラティリティーが高まっているが、これは資金が市場から完全に流出しているのではなく他のセクターや有望な銘柄へシフトしている短期的な調整の兆候とみられるため、動揺せずに投資をそのまま継続することが推奨されています。
- スペースXの超大型IPOについては、現在の企業価値(1兆8000億ドル)は極めて割高な水準であるため、上場直後の購入は見送り、株価が公正価値近辺(例えば1株90ドル程度)まで下がってから購入することが推奨されています。
- 株式/エクイティ:
- 購入推奨・選好:
- 金融株: 現在の株価水準において、ハイテク株並みに高騰し割高となっているゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーよりも、バンク・オブ・アメリカとJPモルガン・チェースの方が有望な投資先とみられています。
- ヘルスケア関連銘柄: AIを活用したイノベーションやコスト削減の恩恵を受けるとして、イーライリリー、インテュイティブ・サージカル、ナテラ、エドワーズ・ライフサイエンス、メドラインの5社が推奨されています。
- 建材・インフラ関連銘柄: AIデータセンター新設に伴う骨材需要などの恩恵を受けるとして、CRH、セメックス、アムライズが推奨されています。
- ETF: S&P500指数に連動するETFの中で、低い手数料や配当の自動再投資を理由に、バンガードS&P500ETF(VOO)が選好されています。
- 慎重・待機推奨:
- ゴールドマン・サックス: 投資銀行部門などの業績は堅調であるものの、バリュエーションが過去最高水準に達しており割高であるため、ウォール街の大半のアナリストは投資判断をホールドとしています。
- アップル: WWDCでのAI関連の発表に対する期待で株価が上昇していますが、過去の傾向からイベント当日の株価上昇は期待せず、基調講演から3カ月後などの長期的な視点を持つことが示唆されています。
- 見解が分かれる銘柄:
- スポーツベッティング関連(ドラフトキングス、フラッター): アナリストの大部分は買いを維持していますが、予測市場の台頭や規制強化、税率引き上げなどのリスクから、売りを推奨する見方も一部で存在しています。
- 購入推奨・選好:
- 代替資産/その他:
- 金(ゴールド): 各国の中央銀行が地政学的リスクや米国の政策・財政赤字への懸念から米国債の保有比率を減らし金の保有を増やしており、米ドルに対する強力な代替資産として注目されています。

バロンズ・ダイジェスト
米国で最も著名な投資週刊誌「BARRON'S(バロンズ)」の記事から、他では読むことができない厳選した米国の株式、証券などの金融商品や米国経済のプロ向け情報を、日本語で毎日お届けします。
CB Insights
📉 投資戦略の推奨事項
- 基本方針:
- AI業界の焦点は単なる機能の有無から、複雑なワークフローへの展開、統治、および規模の拡大へと移行しており、これらに対応できる企業を有望な投資対象として評価する。
- 業界特化型(垂直型)AI分野においては、対象とする業種そのものではなく、非テキストデータや希少データセットへのアクセス、あるいは既存システムへの深い組み込みといった独自の「データ」を参入障壁(堀)として持つ企業を選別して投資対象とすることが重要である。
- 株式/エクイティ:
- 注目・投資選好(スタートアップ・未上場企業など):
- 観測可能性&評価ツール関連企業: 複数のワークフローを自律的にこなすAIエージェントの本格展開に伴い不可欠となる、エージェントのID管理、行動検証、セキュリティー確保といった運用ルール(インフラ)を提供する企業(キーカード、ジョーディーAI、バーチューAI、ストライカーなど)への初期投資が有望視されている。
- 複数ロボットの連携システム関連企業: フィジカルAIが単体ユニットから複数の自律ユニットによる協調動作へと進化する中、異なるベンダーのロボットを連携・管理するシステムやリスク認識フレームワークを提供する企業(インオービット、フィールドAI、グラビス・ロボティクスなど)が、今後の市場拡大において大きな影響力を持つと予想されている。
- 強固なデータ優位性を持つ業界特化型AI企業: 汎用AIでは対応が難しい非テキストデータ(分子構造やCADデータなど)で独自モデルを開発する企業(チャイ・ディスカバリー、レオAIなど)、コンプライアンスや融資システムに深く入り込み切り替えコストを高くしている企業(ブレトンAI、ファーザーAI、Salientなど)、入手困難な希少データセットを持つ企業(アトミック・キャニオン、アソート・ヘルスなど)が、他社が模倣できない強力な競争力を持つとして高く評価されている。
- 注目・投資選好(スタートアップ・未上場企業など):


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