今週の投資戦略
共通点
- 2026年のAIトレードに対する慎重な見方: 両者とも、2026年をAI(人工知能)投資の成否を分ける重要な年と見ています。モルガン・スタンレーは、生成AIの普及による「経済生産性の向上」が利益予想を裏切れば株価は維持されるが、そうでなければ脆弱になると指摘しています。バロンズも、2026年はAIトレードにとって「正念場(Make-or-Break Year)」になると述べています。
- 特定のセクター(金融・エネルギー)への期待: 両者とも、金融およびエネルギーセクターを推奨しています。モルガン・スタンレーは、AI活用の恩恵を受けるセクターとして金融、ヘルスケア、エネルギーを挙げています。バロンズも、攻勢に転じたチャールズ・シュワブ(金融)や、データセンター向けの天然ガス需要の恩恵を受けるエネルギー・パイプライン(MLP)を有望視しています。
- 米国以外の市場への注目: 米国株の割高感を背景に、国際分散投資を重視しています。モルガン・スタンレーは新興国市場(EM)をオーバーウェイトとしています。バロンズも、米国株より割安で配当利回りが高い日本や欧州などの海外配当株が、2025年に続き魅力的であると述べています。
- 米国投資適格債への慎重姿勢: 両者とも、米国投資適格債(IG)の魅力が乏しいという認識で一致しています。モルガン・スタンレーはアンダーウェイトとしており、バロンズも国債とのスプレッドが過去25年で最小水準に近く、リターンが限定的であると指摘しています。
2. 相違点
- 不動産投資信託(REIT)への判断:
- モルガン・スタンレー: アンダーウェイト(弱気)。実質金利がプラスであり、サービスインフレが根強いことから、住宅不足解消などの特定機会を除き、広範な投資には慎重です。
- バロンズ: 選好(強気)。インカム投資対象として3位にランクインさせており、現在は割安で、配当と収益成長によりトータルリターンが10%に達する可能性があるとしています。
- リスク資産へのアプローチ:
- モルガン・スタンレー: リスク管理と質の向上を強調しています。高ベータ株、赤字企業、投機的銘柄から利益を確定し、大型のクオリティ銘柄や「マグニフィセント・セブン(Mag 7)」へ資金を再配分することを推奨しています。
- バロンズ: インカム(利回り)の確保を重視しています。債券の代わりとして、市場から嫌われているが利回りが高いCATVや通信株、またリスクはあるが10%超の利回りを持つ新興国債券や事業開発会社(BDC)を具体的に提案しています。
- 債券の具体的な代替案:
- モルガン・スタンレー: 金利変動を抑えるために、短期債から中期債(カーブの腹)への移行を推奨しています。
- バロンズ: 投資適格社債よりも、利回りが約5%あり「暗黙の政府保証」があるモーゲージ証券(MBS)を選好しています。
- 仮想通貨(暗号資産)への視点:
- モルガン・スタンレー: 金(ゴールド)の secular growth story(長期成長ストーリー)の一部として、法定通貨への信頼低下に伴う代替資産としての側面に注目しています。
- バロンズ: 2026年の暗号資産の「反発」に賭ける戦略を紹介しており、大手証券会社での直接保有が可能になることや、関連企業(コインベース等)への投資機会として捉えています。
GIC Weekly by Morgan Stanley
📉 投資戦略の推奨事項
- 基本方針:
- 生成AIによる生産性向上という単一の要因に過度に依存せず、戦略的資産分散を最大化するためのリバランスを推奨する。
- パッシブなインデックス投資に頼るのではなく、個別銘柄の選定やプライベート資産での流動性機会の活用といったアクティブなアプローチを重視し、特定銘柄への集中を避けるべきである。
- 株式/エクイティ:
- 購入・積み増し推奨 (Overweight/Reload):
- 米国大型株(コアおよびクオリティ銘柄): 利益確定後の再配分先として推奨する。
- 「マグニフィセント・セブン (Mag 7)」: 2026年の高い収益成長予測を達成する可能性が高いとみて、再び積み増す(リロード)機会とする。
- セクター別: 生成AIによる生産性向上の恩恵を実際に受ける金融、ヘルスケア、エネルギーセクターに注目し、投資範囲を広げる。
- 新興市場 (EM): 中国の刺激策による景気の下支えや、魅力的なバリュエーションを背景にオーバーウェイトとする。
- 売却・利益確定推奨:
- 高ベータ株、赤字企業、小型・マイクロキャップ株、投機的銘柄: これまでの上昇益を確定し、より質の高い大型株へ資金を移動させることを推奨する。
- アンダーウェイト:
- 米国を除く先進国市場: 相対的な投資判断としてアンダーウェイトを維持する。
- 購入・積み増し推奨 (Overweight/Reload):
- 固定収益(債券):
- 米国投資適格債 (Underweight): 短期デュレーションのエクスポージャーを大幅に削減し、価格変動を抑えつつ適切なクーポンを得るために「カーブの腹(中期債)」へ移行することを推奨する。
- デュレーション管理: 米国の長期債務や赤字問題を背景にタームプレミアム(期限のプレミアム)が上昇しており、ポートフォリオのデュレーション(金利感応度)を安易に追加することには慎重な姿勢をとる。
- 国際投資適格債 (Market-Weight): 中央銀行の利下げ開始や、経済成長に伴うスプレッド縮小の余地を考慮する。
- ハイイールド債 (Market-Weight): ポートフォリオの株式ベータを低減するため露出を排除したが、現在のスプレッドはデフォルトリスクを十分に補填していない可能性がある。
- インフレ連動証券 (Underweight): 実質利回りが過去2年に比べて割安な水準にあり、スタグフレーション環境下では潜在的な買い場となる可能性がある。
- 代替資産/その他:
- コモディティ (Overweight): 世界的なリフレ、地政学的緊張、継続的な財政支出を背景に、金や産業用・エネルギー関連コモディティの上昇を見込む。
- 金 (Gold): 法定通貨への信頼が低下する中で、ステーブルコイン等の担保資産としての長期的な成長ストーリーの一部とみなす。
- MLP/エネルギー・インフラ (Overweight): 安定した価格背景と資本規律による競争力のある利回り、および地政学的リスクへのヘッジとして推奨する。
- ヘッジ戦略(ヘッジファンド等) (Overweight): 個別銘柄のリスクやボラティリティの上昇に対応するため、レバレッジやリスク管理を活用できるアクティブなファンダメンタル戦略(高品質、低ベータ、絶対収益型)を好む。
- プライベート資産: ベンチャーキャピタル、グロースエクイティ、商業用不動産において、2026年ビンテージ(2026年設定のファンド)への投資を計画する。
- REITs (Underweight): 分散効果は認めつつも、実質金利のプラス維持などを背景に、住宅不足解消に関連する機会などに厳選して投資すべきである。
Barron’s Digest
📉 投資戦略の推奨事項
- 基本方針:
- 債券よりも株式を選好: インカムゲイン(配当・利息収入)を重視する投資において、過去10年間に続き、債券よりも株式を優先する姿勢を維持する。
- イノベーション主導の強気相場: 技術革新(AI等)が生産性を向上させ、インフレを穏やかにしつつ企業の利益成長を支える「長続きする強気相場」を享受する。
- インフレを上回るリターンの追求: 現在の債券利回りはインフレ率を大幅に上回るほどではないため、値上がり益と配当の双方を狙える資産構成が求められる。
- 株式/エクイティ:
- 購入推奨(インカム・バリュー・セクター):
- 米国配当株: 債券に近い利回りと値上がり益の両方を提供できる理想的な選択肢。特に「配当貴族」銘柄やダウ高配当10銘柄などに注目。
- エネルギー・パイプライン(MLP): 高い配当利回り(4〜8%)と自社株買いの拡大、データセンター向け天然ガス需要の恩恵が期待できる。
- REITs(不動産投資信託): 2025年は低迷したが現在は割安。トータルリターンは10%超となる可能性があり、特にオフィス(マンハッタン等)や集合住宅REITが有望。
- 海外配当株: 米国株より割安で配当利回りが高い。特に日本や欧州、英国の大型株を推奨。
- 金融(チャールズ・シュワブなど): 過去の逆風を乗り越え、顧客資産の拡大と暗号資産分野への進出により「守勢から攻勢」に転じている銘柄は「買い」。
- 公益電力: AIデータセンターの電力需要増の恩恵を受ける低リスクな手段として推奨。ただし割高な原子力関連は避ける。
- 通信・CATV: 市場から過小評価されているが、高い配当利回りとバリュエーションの低さから魅力的な買い場となっている。
- 購入推奨(グロース・テーマ):
- AI関連ハードウェア: データストレージ需要の急増により、シーゲート、ウエスタン・デジタル、マイクロンの「サドンリー・セクシー・スリー」には依然として快進撃の可能性がある。
- 中国テクノロジー株: 長年の規制強化を経て、アリババやバイドゥなどへの再参入の動きが見られる。
- 売却・回避推奨:
- 投機的な小型株・零細銘柄: 歴史的な教訓(ジェレミー・グランサム氏の経験)に基づき、実体のない「ロケット株」や時代を先取りしすぎた投機的銘柄は避けるべきである。
- 購入推奨(インカム・バリュー・セクター):
- 固定収益(債券):
- 米国投資適格債: 国債との利回り格差(スプレッド)が過去25年で最小水準にあり、魅力が乏しい。代替としてモーゲージ証券(MBS)を選好する。
- ハイイールド債(ジャンク債): 6〜10%の利回りは期待できるが、スプレッドは3%未満と非常にタイトであるため注意が必要。
- 新興国債券: メキシコやブラジルなど、ドル建てで6%、現地通貨建てで10%超の利回りを持つ市場は、世界の債券市場で最も魅力的な分野の一つ。
- 米国債: 利回り曲線(イールドカーブ)の形状から、30年物などの長期債への投資を検討すべき。リスク回避にはTビル(短期国債)が有効(利回り約3.5〜3.75%)。
- 地方債(Muni): 現在の利回りは米国債と比較して魅力が低く、高利回り地方債を除き慎重な判断を要する。
- 代替資産/その他:
- プライベート・クレジット(BDC): 10%超の利回りが期待できる。ただし信用懸念があるため、シニア担保債に投資する高品質なBDCを、純資産価値(NAV)に対して割安な局面で狙う。
- 優先証券: 銀行や公共事業会社が発行する、平均約6%の利回りを持つ証券は個人投資家に適している。
- 暗号資産(仮想通貨): ビットコイン等の反発に賭ける戦略。大手証券プラットフォームでの直接保有が容易になることも追い風。
- 商品(コモディティ):
- 銀(シルバー): 2025年に爆発的に上昇したが、バブルの兆候も指摘されている。不確実な経済環境下では注目されやすいが、原油価格との歴史的格差に留意が必要。
- プライベート・エクイティ(PE): 2026年に向けて回復の兆し。M&AやIPO市場の改善に伴い、公開市場のバリュエーションに追いつくことが期待される。
現在の市場環境は、「イノベーションがエンジン、配当がクッション」となって相場を下支えする、インカム重視の投資家にとってチャンスの多い局面と言えます。

Thoughts on the Market Podcast


Guide to the Markets by JP Morgan

Long-Term Capital Market Assumptions-「LTCMA」 by JP Morgan

今週の動き








OpenAIは、約4,000人の従業員に対して 1人あたり年間 約150万ドル(約2.3億円)もの
株式報酬(ストックベース報酬)を支払っている。
合計すると、
$1.5M × 4,000人 = 約$6.0B(約9,200億円)。
これは
・2025年の売上見込み(約$12B)の「約半分」
・他の大手テック企業18社がIPO前に支払っていた
平均的な従業員報酬の「約34倍」(インフレ調整後)
利益よりも、 研究開発よりも、 まず人材にフルベット。
AIの競争優位はモデルやGPUより、採用の比重が高そう。

技術革新が産業構造を絶えず刷新する中、最新のAIにより未来の事業運営のあり方を形にするため、(PWCは)AIエージェントの迅速なプロトタイピングを担う開発組織「AI Factory」も設立しました。
ボストン コンサルティング グループでは、企業がAIで価値を生み出すプロセスを「Deploy(導入して利用する)」「Reshape(オペレーションに組み込んで抜本的な効率化を図る)」「Invent(そこから新しい価値を生み出す)」の三つの類型で整理しています。この一年で、ほぼ全ての大企業が「Deploy」を実行し「Reshape」と「Invent」にもいよいよ本腰を入れ始めています。

ここ数年で痛感したのは、クラウド移行もAI活用も、それ自体では企業価値を動かさないという事実です。現場が変わり、意思決定が変わり、ガバナンスが変わって初めて企業の成長軌道は変わります。だからこそ、Microsoft テクノロジーを点で導入するのではなく、「働き方・プロセス・データ・組織」を再設計する経営課題として扱う姿勢が不可欠でした。
ドリームインキュベータ(DI)では、3年ほど前からテクノロジー関連プラクティス(Technology & Amplify)の活動を開始しています。近年、上場企業にアクティブな投資家が参入することが一般化したため、企業価値向上に対してよりシリアスに向き合う企業が増えています。

KPMGコンサルティングは企業・組織の変革に向けたチャレンジに伴走しながら、顧客価値の最大化と社会価値の創出を同時に実現することを目指しており、グローバルではKPMGが持つさまざまな業界・サービスに関する知見や専門性、ソリューションやフレームワーク、先進のAIを活用したデータなどを「KPMG Velocity」というプラットフォームに集約を始めており、世界中のトランスフォーメーションに伴走支援できる体制強化をはかりました。
2025年はエージェンティックAI元年と言われ、多くの企業がさらなるAI変革に臨んだ1年でした。しかし、従業員個々の生産性向上を越えて、企業価値やP/Lに直結する財務的インパクトまで実現しているケースはまだ限定的です。日本では生産性向上が即従業員数・コストの削減にはならず、いかにAIを新たな価値創造と競争力強化につなげるかという本質的な課題に正面から向き合う必要があるからです。我々もAI導入の先にある「リアルな成果」をいかに刈り取るか、クライアントの経営層と真剣に討議する機会が増えました。

AIはデスクワークを超え、製造や物流などのフィジカル領域へ急速に拡大し始めました。ロボティクスや自動運転といった分野でフィジカルAIの実装が進み、センサーとAIを組み合わせたリアルタイム最適化の実現を見据えた取り組みが加速しています。
こうした潮流の中でアクセンチュアは、特にフィジカルAI分野においてMicrosoft、NVIDIA、Siemensなどとの戦略的パートナーシップを強化しました。これらパートナー企業の技術も活用しながら、フィジカル領域でのAI活用に注力しています。
しかし、AIによって業務効率が向上しても“顧客に提供する価値をどう高めるか”という根本課題は依然として解決されません。AIが前提となる時代では、AIが存在しなかった時代に設計された顧客価値・業務・組織は前提条件そのものが異なるため、そのままでは構造的なズレが生じます。求められるのは個別業務の置き換えではなく、顧客価値の再定義を起点に、業務プロセスと組織のあり方を一体で再設計する視点です。
さらに、この再設計を支える人材像やスキルセットも刷新が不可欠であり、従来の分業的な体制ではAIを価値創造に結びつけることが難しくなっています。AI導入を既存業務の効率化の延長として捉えるのではなく、企業の価値創造モデルそのものを見直す局面に入っていると言えます。その転換ができる企業こそが、CXでの差別化と持続的成長を実現することができるでしょう。
サムスンの「ザ・フレーム」を含む競合モデルと同様、アマゾンの新型テレビは、磁石で本体に取り付ける交換式ベゼルを採用する。ベゼルはナチュラルウッドを含む10色を用意し、購入後に別のデザインへ切り替えることも可能だ。
アマゾンによると、エンバー・アートラインでは2000点以上の無料アートを提供する。無制限でアートストアにアクセスするにはサブスクリプション料金が必要なサムスン製品と差異化した。連携するモバイルアプリを使えば、利用者はテレビを設置している部屋の写真を複数枚アップロードでき、インテリアに調和する作品選びの提案を受けられる。




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