機関投資家動向









AIの登場は、就職面接先を必死に探す新卒者の不安をさらに高め、実際に就職活動を難しくさせている可能性もある。米ニューヨーク連銀によると、大卒の22-27歳層における失業率は、3月時点で4年ぶりの高水準の5.8%と、全米平均を大きく上回った。AIの影響だと指摘する声が多い。
コンサルティング会社オックスフォード・エコノミクスは、2023年半ば以降に米失業率が3.5%から4%超に上昇したことについて、その85%は新規労働市場参入者が就職に苦労した影響だと推計。コンピューターサイエンス分野など、AI導入が特に進んでいる業種における若年層の失業増加が理由だと分析している。一方で、同分野の中高年層では同期間に就業者がわずかに増加した。
労働市場分析会社レベリオ・ラボは、米国で23年1月以降、エントリーレベルの求人総数が約35%減少したと指摘。AIによる代替が可能な職種は特に大きな打撃を受けた。同社は企業サイト上の求人データを収集し、各職務内容に基づいてAIの代替可能性を評価。データベース管理者や品質保証テスターなど、AIに代替されやすい職種は、医療ケースマネジャーや広報担当といった影響の少ない職種に比べて大幅に減少した。
しかし、AI活用を積極的に進める業界では、初級職にとって厳しい状況が見られる。求人サイトのインディードによると、テクノロジー業界では20年から25年にかけてジュニア職の求人が36%減少。代わりに、5年以上の経験を条件とする求人の割合が増加している。
労働市場調査の非営利団体バーニング・グラス・インスティテュートの新しい報告書は、生成AIが一部職種の初級職を奪う一方で、別の分野ではチャンスを広げる可能性があると指摘している。
ハーバード・ビジネス・スクールのジョセフ・フラー教授が共著した同報告書は、職種ごとに異なる「学習曲線」に着目。たとえばプロジェクトマネジメントのように、リスクの低い業務から徐々に経験を積んで専門性を高めていく職種では、AIが初期業務を代替することでキャリアの入り口が狭まる恐れがある。一方で、ローン審査のように初期から高い専門性が求められる職種では、AIの支援によって早期習得が可能となり、参入障壁が下がる可能性もあるという。
ノーベル経済学賞受賞者で、マサチューセッツ工科大学(MIT)のダロン・アセモグル教授は、AIがエントリーレベルの仕事を完全に自動化するという見方には懐疑的だ。
アセモグル氏は、AIの進化が生産性向上につながる可能性を認めつつも、「人間の仕事」そのものが持つ性質――対人関係、感情的知性、状況判断、即興の対応など――は、特に初級職では極めて重要であり、AIがこれらに対応するのは困難だと指摘する。
さらに同氏は、初級職を削減し過ぎると企業自身が将来的に不利になる恐れがあると警告。「業界への理解や高レベル業務のスキルを身につけるには、まずは単純な仕事から経験を積むことが必要だ」と話す。
リンクトインの幹部アニシュ・ラマン氏はブルームバーグの取材に対し、現在の課題は過去の形態のままエントリーレベル職を維持することではなく、より高度なタスクや、共感や高度な人間関係スキルなど、人間に特有の能力が必要な業務にシフトさせるために再設計することだと述べた。
同時に、大学や教育機関には、学生がより複雑な業務に対応できるよう、高度なスキルを身につけさせる責任があると付け加えた。

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