機関投資家動向
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは、レバレッジド・ファンドによるネット円ショート縮小は、金融政策の正常化を織り込むという意味で「よく分かる」動きだと指摘。一方、アセットマネジャーは総裁の「不連続性」発言を「緩和的な水準が維持される、ゆっくりな利上げを意図している」と解釈した可能性があり、円ショートを積み増す安心感につながったとみる。
GMOのマネーマネジャー、ビクトリア・クルム氏は「米金融当局の言動にかかわらず、現地通貨建て債券は、ドル高、新興国通貨の割安なバリュエーション、魅力的な利回り、進行中のディスインフレのプロセスという点で魅力的だ」と指摘。「米緩和サイクル開始時期の手掛かりがつかめれば、ドル下落および新興国市場の現地通貨建て債券の力強いパフォーマンスのきっかけになるかもしれない」と述べた。
GMOのほか、ニューバーガー・バーマン、ボントベル・アセット・マネジメント、JPモルガン・チェースなど、この資産クラスにとって24年の早い時期が重要な時期だと主張するグローバル資産運用会社が増えている。
運用資産1兆5000億ドル(約221兆円)の政府系ファンド(SWF)、ノルウェー政府年金基金グローバルは昨年、テクノロジーセクターの超大型株を買い増した。人工知能(AI)ブームを追い風に急伸する同セクターに着目した。
ノルウェー政府年金基金グローバルの運営主体、ノルウェー中央銀行投資管理部門(NBIM )が年1回、ウェブサイトで公表する保有リストによると、同SWFはアップルとマイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コムの持ち分を増やした。
また、半導体企業で時価総額1、2位のエヌビディアと台湾積体電路製造(TSMC)やオランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングのほか、電気自動車(EV)メーカーのテスラと比亜迪(BYD)も買い増した。
ノルウェー政府年金基金グローバルは昨年、株式相場が反発する中で、一部の不動産取引で損失を出し、5年ぶりにベンチマークに届かなかった。同基金は1兆6000億ドル(約235兆円)規模の政府系ファンド(SWF)。
30日発表の資料によると、同基金の2023年運用成績はプラス16.1%。約2130億ドル相当のリターンを確保し、黒字に転換した。ただ、ベンチマークを18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回り、18年以来の指標割れとなった。
2008年の金融危機以前にサブプライム住宅ローンの崩壊を予見し「世紀の空売り」を行ったことで知られるスティーブ・アイズマン氏は、膨れ上がる米連邦政府赤字と米株市場での取引集中への他の人々の深い懸念にもかかわらず、現在は米市場について「どちらかと言えばロング志向」だという。
ニューバーガー・バーマン・グループのポートフォリオマネジャーのアイズマン氏は、米国の債務膨張が市場や米国政府に問題を引き起こす実際の兆候は見られないと述べた。今日の市場とインターネットバブル時代の類似点を一部の人が認識しているにもかかわらず、同氏は株式に関しても同様に楽観的だ。
まれだが重大な影響を及ぼす事象についての書籍『ブラック・スワン』著者の ナシム・ニコラス・タレブ氏はアイズマン氏に先立ち、米経済は債務膨張という 「死のスパイラル」 に直面していると警鐘を鳴らした。
しかしアイズマン氏は「財政赤字に関するこの議論は40年間続いている」と述べ、「問題があるという本当の兆候が見えるまでは」心配する理由はほとんどないと付け加えた。同氏は具体的な投資戦略や保有株については明らかにしなかった。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは、あまり市場で強く意識されているわけではないと断った上で、バフェット氏のスタイルはバリュー(割安)投資であるため、株価が高くなり「投資妙味が薄れて株を売ることもなくはない」と話す。
商社各社は株価上昇に甘んじず、新たな投資家層の獲得に力を入れている。住友商事の高山宜典理事インベスターリレーションズ部長は、1社に高い比率で株式を保有されることはプラスマイナス両方の影響があるとの認識を示した上で、「バークシャーが永久に保有し続けるとは思っていない」と述べ、「売却された時のリスクも考えて株主は分散するようにターゲティングをしている」と言う。
三菱商事の小林健司執行役員コーポレート担当役員(CSEO)も「万が一を想定して、受け皿となる市場流動性を提供してくれる投資家のベースを増やしておきたい」と考えている。海外投資家による売りが優勢な局面では、相場に対して逆張りの傾向がある個人投資家が株価を支えてくれることもあると丸紅の田島知浄執行役員財務部長は指摘。「幅広い層の投資家をしっかり押さえていく」と語った。
多岐にわたる事業を展開する一方で、収益が国際商品市況の影響を大きく受ける商社はバリュー株との印象が強い。このような中、三井物産の小西秀明IR部長はバフェット氏の保有とは関係なく、グロース(成長)投資家の取り込みに向けて成長投資や企業成長の実績を積んで説明することに注力していると話した。
上場企業は株価の大きな変動を避けるべく株主の多様化に動いている。日本株の魅力を高めて新しい投資家を呼び込めるよう、東京証券取引所もコーポレートガバナンス(企業統治)の改善や株価バリュエーションの向上を企業に要請し、株主との対話の推進と開示を呼びかけた。これに呼応する形で企業は増配などで株主還元を強化、最低投資金額の低下を狙った大幅な株式分割も相次いでいる。
バークシャーは、投資先の取締役会からの合意が得られなければ9.9%を超えて株式を取得することはないとの見解を商社への投資を明らかにした時期に示している。ブルームバーグのデータによると、三菱商8.3%、三井物産8.2%、丸紅8.4%、住友商8.3%、伊藤忠商事7.5%まで各社の株式保有割合を拡大させている。
円債市場でバークシャーは23年11月に7回目の起債を行った。フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッドは、調達した1220億円で商社株を均等に買い増したとしても、大量保有報告書の提出が義務付けられている1%以上の持ち株比率の変動にはならないと指摘。足元では大量保有報告書で買い増しが確認されていないため、バークシャーは起債金額内でのみ株式を購入していると推察する。
株価が大きく上昇しても商社の投資魅力は健在で、投資家の資金を獲得しやすい環境にある。東海東京調査センターのアナリストで商社を18年近くカバーする栗原英明氏は、経営陣の改善などで非資源分野の収益向上や脱炭素事業での投資や協業、過去の教訓から投資失敗のリスクが低下しており「収益構造は今までで一番良い」と評価する。
ロレアルグループが、コーポレートベンチャーキャピタルファンドのBOLD(Business Opportunities for L’Oreal Development)を通じて、スイスの長寿バイオテクノロジー企業タイムラインの少数株式を取得した。
クオンツヘッジファンド運営会社ツーシグマ・インベストメンツの「コンパス・エンハンスト」ファンドの2023年運用成績はマイナス16%となった。マクロに特化したヘッジファンドが経済の不透明感に苦しんだ。
ウッド氏は1月、アークが運用する上場投資信託(ETF)2本で、テスラ株およそ69万株を買い増した。ブルームバーグが終値に基づいて計算したところによると、購入規模は推定1億4100万ドル(約208億円)だった。
ウッド氏はかねてテスラ強気派として知られるが、直近で買いに転じるまでほぼ3四半期連続でテスラ株を売却していた。テスラは旗艦ファンドのアーク・イノベーションETF(ARKK)とアーク次世代インターネットETF(ARKW)の保有銘柄としてそれぞれ第3位と第6位を占める。
ウッド氏はFTに対し「われわれは2021年と22年に受けるべき報いを受けたと思うが今はその反対側にいる」と指摘。両年の大幅な下落が「報い」だったと言及した。
「正直なところ、21年と22年に見舞われたこと、つまりハイテク・テレコムのバブル崩壊時のナスダックに見られたものより大きな下振れとなったことは筋が通らない。革新は進行中でゴールデンタイムを控えているからだ」と語った。
中国の人口動態や輸出動向は、数十年前の日本とますます似てきた。これは運用成績がトップクラスにあるフィデリティの株式ファンドが、中国ヘルスケア株を購入する動機の一つになっている。
「フィデリティ・エマージング・アジア・ファンド」を運用する趙暁霆氏は、中国で高齢化が進み国民が裕福になるにつれ、病院や製薬会社、医療機器メーカーの業績が上向くほか、中国からの医療機器輸出が増えるだろうと指摘した。同ファンドの昨年の運用成績は競合ファンドの94%を上回った。
人工知能(AI)は創薬にかかる時間短縮や診断の精度向上につながり、中国のヘルスケア産業を後押しする見通しだ。「AIはヘルスケア産業全体の効率を高めるだろう」とも趙氏は言及した。
世界最大のプライベートエクイティー(未公開株、PE)投資会社、米ブラックストーンの人工知能(AI)革命への賭けだ。
2021年にデータセンター運営会社QTSを100億ドル(約1兆5000億円)で買収したブラックストーンは、ハイテク企業にとってトップクラスのスペースの貸し手であるQTSの急成長を加速させている。
ブラックストーンは重要なコンピューティング需要に対応する巨大施設の建設向けに資金を提供。それが地域社会の形をも変えようとしている。
1兆ドル帝国のブラックストーンにとって、不動産は最大級の投資分野で、不動産のニーズが高まっているにもかかわらず、需要に見合う不動産が過少な分野を特定し、数十億ドルの資金を投じる。大きな賃料と市場シェアを得る巨大な物件の建設を支援するのは、古典的な手法の一つだ。
QTSの買収以後、データセンター需要は爆発的に増加。AIブームが定着するにつれ、世界中で大手テクノロジー企業が途方もない量のテキストや画像、動画を処理し、パターン予測のソフトウエアを学習させるマシンを動かすためのスペースや電力をますますデータセンターに頼るようになっている。
フーリハン・ローキーで北米データセンターを担当する主任バンカー、ブライアン・プライヤー氏は、「データセンターに大規模な投資をしたいと人々は考えているが、地域社会に明確かつ直接的な利益をもたらさず、電力や資源を吸い上げてしまうと、世論の反発を招く可能性がある」と指摘する。
すでにQTSは、認可取得で難しい問題に直面している。バージニア州マナサスでは住民と自然保護活動家が州保有の森林地帯と南北戦争の古戦場に隣接する900エーカーの土地を巡り、数十億ドル規模の開発計画と闘っている。
フランスの大手資産運用会社「アムンディ」のヴァンサン・モルティエ最高投資責任者がこのほどNHKのインタビューに応じました。
この会社の日本の拠点が運用する資産の残高は、去年9月末の時点で6兆8000億円。
モルティエ氏は今月、東京市場で株価が大きく上昇したことについて、「いくつかの企業改革が実施されたことがプラスに働いている。日本でも、競争してイノベーションを起こし、テクノロジーなどの分野で市場シェアを拡大しようとする企業が増えている。これはとても重要なことだ」と述べ、日本企業の改革の動きに期待感を示しました。
そのうえで「実は何年もの間、顧客から日本のことを耳にしたことはなく、日本は“地図にも載っていない”状態だったが、去年からかなり変化している」と指摘しました。
また、「アジアの成長機会を捉えるため中国株を売って代わりに日本株を買う投資家が増えている」と述べ、経済が減速する中国の株式市場から日本の株式に資金を移す動きがあるという見方を示しました。
アクティビスト(物言う投資家)の米ヘッジファンド運営会社、エリオット・インベストメント・マネジメントはこれまでに、手作り品などのオンライン市場を運営する米エッツィの株式13%を取得した。内情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
ヘッジファンドのポイント72アセット・マネジメントとキャップストーン・インベストメント・アドバイザーズは、いずれもイタリアのミラノにオフィスを新設し、欧州でのプレゼンスを強化した。
デリバティブ(金融派生商品)分析会社アシム500の創業者、ロッキー・フィッシュマン氏は「地政学や米選挙、金利変動がもたらすテールリスクはどれも、VIXが近いうちに急上昇するシナリオを容易に描くが、低水準で変動の少ないVIXは、コールオプション価格を大きく押し下げている」と指摘した。
不動産情報サイトのズープラがまとめたデータによると、ロンドンの住宅価格は英労働者の平均収入の13倍。この割合は2016年に付けたピークの15倍超から低下した。英国の欧州連合(EU)離脱や税制変更、住宅価格と賃金の変動がその要因だ。
ズープラの数値は販売価格と住宅ローン評価額、販売成約データを組み合わせたもので、英不動産市場を追跡調査する最大の基調的データだと同社は説明している。住宅金融大手のハリファックスとネーションワイドは、両社が貸し出すローンのデータに基づく注目度のより高い数字を公表する。これらの各調査は、政府の公式データが発表される前にトレンドを予測しようとするものだ。
ロンドンの不動産市場は投資家や外国人の買い手に対する課税強化、EU離脱、新型コロナウイルス禍後の労働形態の変化により打撃を受けている。ズープラによれば、ロンドンの住宅価格は2016年以降にわずか13%しか上昇していない。英国全体では34%値上がりしている。
英国のコンサルタント企業、サヴィルスが追跡している世界30余りの都市のうち半数以上で、2024年の住宅資本価値の年間の伸びが減速する見通しだ。ブルームバーグが公表前のリポートを確認した。サヴィルスは高級住宅の価値の伸びが今年は0.6%と、前年の2.2%から鈍化し、2019年以来の低い伸びになると予想している。
香港は高金利と政治的な不確実性が買い手を遠ざけており、高級住宅の価格は今年10%余り下落し、サヴィルスが追跡している中で最も軟調な市場となりそうだ。
サヴィルスのリサーチャー、ケルシー・セラーズ氏は「高級住宅は主流の一般的な住宅よりも住宅ローンへの依存度が低いとはいえ、マクロ経済情勢の悪化はセンチメントを悪化させるはずだ。多くの潜在的な買い手と売り手は様子見のアプローチを取るだろう」と述べた。
香港と並んで低調なのはニューヨークとサンフランシスコで、前者は労働者のオフィスへの回帰が緩慢で、後者はハイテク産業混乱の影響もまだ乗り切っていない。深圳、広州、杭州などの中国の都市も、政府が不安定な不動産市場の安定化に苦心しているため、下落に向かう見込みだ。
ミレニアム・マネジメントが、元ゴールドマン・サックス・グループのマネジングディレクター、ジェイミー・グッドマン氏がアジアで設立予定のヘッジファンドに5億ドル(約740億円)を投資する。事情に詳しい関係者が明らかにした。
さまざまな投資戦略を持つ「ポッド」(チーム)を採用する資金が潤沢なヘッジファンドは、人材を誘致し取引能力を拡大するために熾烈(しれつ)な競争を繰り広げている。グッドマン氏のファンドへの投資はミレニアムがアジアで自社出身者以外が運営するファンドを支援する珍しい例だ。
ミレニアムは20年にシンガポールを拠点とするマクロヘッジファンド会社RVキャピタルマネジメントのセパレート・マネージド・アカウントに資金を注入し、同社の運用資産を約10億ドルに増やした。
ヘッジファンド、シタデルの創業者である同氏はフロリダ州マイアミで開催されたMFAネットワーク会議で、ハーバード大を「支援する気はない」と述べ、同大が「リーダーであり問題を解決できる人材となる米国の若い男女を教育する役割を再開する」ことを明確にしなければならないと主張した。
シンガポールのヘッジファンド運営会社ダイモン・アジア・キャピタルが、比較的まれな顧客に優しい手数料体系を導入する。金利上昇で現金の魅力が高まり、業界への資金流入は鈍化している。
勢いにもかかわらずマイクロソフトの株価は時間外取引で下落。CFRAリサーチのアナリスト、アンジェロ・ジノ氏は、ウォール街はAIが今後どの程度業績に貢献するのかをより明確にしてほしかったと言う。「投資家は、今後数年間のAIのポテンシャルを定量化してほしいのだ」と同氏は述べた。
グーグルについては、主力事業である検索広告事業の軟調さが懸念を呼んだ。同時に、同社の決算発表はAIに十分に積極的なのかという疑問を呼び、マイクロソフトの後塵(こうじん)を拝するのではないかとの懸念が浮上した。
同社の主な収益源である広告事業の減速もまた、AI事業計画の実践を脅かす可能性があると、インサイダー・インテリジェンスのアナリスト、エブリン・ミッチェルウルフ氏は指摘した。
AMDは、AIコンピューティングに賭ける方法を探している投資家が好んで選ぶ銘柄の一つだった。株価はフィラデルフィア証券取引所の半導体指数構成銘柄の中で、23年に続いて今年も2番目の好パフォーマンスとなっている。
つまり、同社は決算で高いハードルをクリアしなければならなかった。今四半期の売上高予想が大方の予想を下回ったことは、高い期待のハードルをクリアする助けにならなかった。
同社は、待望のAIアクセラレーター製品「MI300」が予想をはるかに上回る売り上げを記録していると説明。このプロセッサーはエヌビディアの人気製品「H100」に類似の製品で、AIモデルの開発に役立つ。この製品に対する需要は非常に高く、AMDは今年の売上高見通しを20億ドルから35億ドル強に引き上げた。
世界の株式相場は過去最高値付近で推移しているが、ここからは「厳しい局面」に向かうと、UBSグループのストラテジストが指摘した。経済成長の鈍化が企業の業績予想を圧迫し始めるというのが理由。
アンドルー・ガースウェート氏が率いる同行ストラテジストは29日の顧客向けリポートで、国内総生産(GDP)の伸びが失速している環境下での大幅増収の予想は「極めて異例な」ミスマッチだと指摘。金利上昇の遅効的影響と賃金上昇が利益率に悪影響し、企業業績は期待外れになる公算が大きいとしている。
飛ぶ鳥を落とす勢いのハイテク企業にけん引され、先進国の株価動向を示すMSCIの世界株式指数は過去最高値まであとわずかに迫っている。昨年終盤に始まったラリーは利下げ観測が背景にある。
UBSのストラテジストは「今のところ、市場は弱い経済データを好材料として受け止めている(利下げ回数が増えるとの期待で)」と指摘。しかし「ある時点でこの関係は逆転する」と論じた。
同行は、こうした環境下では一般消費財や医薬品、ソフトウエアなどのディフェンシブセクターを選好するとしている。
ガースウェート氏は、経済見通しが比較的良好な新興国市場の株式を選好する一方、欧州には最も弱気な姿勢を示す。その欧州の中では「異常に割安なディフェンシブ市場」だとして英国を選好している。
米株式相場は少し下がれば、そこから「大きく転落する余地が生じる」と、ゴールドマン・サックス・グループのタクティカルスペシャリスト、スコット・ルブナー氏は1日の顧客リポートで警告した。「ここからのペイントレードは上方向ではなく、下落方向だ」と指摘した。
ルブナー氏は先週、戦術的に弱気転換したことを示唆している。同氏の分析によると、株式パフォーマンスには季節的な傾向があり、2月後半は米国株にとってその年最悪の2週間となることが多い。
昨年11月初旬、ルブナー氏は年末の力強い上昇を予測し、的中させ、「ペイントレードは上向きだ」と述べた。
「各国の天然資源であるデータは、自国のために洗練され、生産されるべきだ。ソブリンAI能力の認識は世界的なものだ」と指摘した。
企業や政府機関に独自のインフラを構築するよう働きかけることで、顧客基盤を拡大したいと考えているフアン氏は、「コンピューティング市場の大半は米国にあり、中国の市場はずっと小さい」と説明。
「生成AIのコンピューター技術によって、初めて文字通り全ての国に影響を与えることになる。そのため、一部の市場は非常に大きくかつグローバルなものになるだろう」と話した。
マイケル・ハートネット氏率いるBofAのストラテジストがまとめたリポートによれば、昨年10-12月(第4四半期)は債券利回りが低下し、ナスダック指数が押し上げられていたが、過去4週間ではいずれも上昇している。このような動きは通常、2009年やドットコムバブルの時のようなリセッション(景気後退)突入後にしか起こらないという。
いわゆるマグニフィセント7と呼ばれるテクノロジー銘柄は、昨年のナスダック100指数の大幅な上げをけん引した。近い将来の利下げ見通しや底堅い景気、人工知能(AI)に対する楽観的な見方が背景にある。24年に入っても上昇は続いており、投資家は引き続き大手テクノロジー企業に期待している。
経営者にとってもこの仕組みはありがたいはずだ。英国では22年、労働日数を短縮する試験プログラムが半年間実施され、参加した61社(大半は中小企業)の売上高は21年6─12月に比べて平均で35%増加した。コロナ禍後の業況改善も一因とはいえ、目に見える効果だ。
同時にこれらの企業の従業員の71%からは、仕事による消耗度が減ったとの報告があり、離職率も前年同期比で57%低下した。
スウェーデンで15年に行われた週4日労働の実験は全面的に好結果を生んだとは言えず、極右政党は経済的に持続不可能だと批判した。英国の試験プログラムに参加したある企業は、従業員が労働日数は減っても勤務時間のストレスがずっと増したとの理由から、予定より早くプログラムを打ち切った。
ただ、このプログラム全体で見ると、従業員の約7割は、従来の週5日勤務に戻れと言うならば、10-50%の賃金上乗せが必要だと答えており、人材つなぎ止めの上で高給を提示する余裕がない企業としても、労働日数短縮は妙味があるだろう。
そして結局のところ、最大の恩恵を受けるのはマクロ経済だろう。週平均労働時間が既に32時間まで減少しているオランダは、生産性の尺度となる1時間当たり国内総生産(GDP)が80ドルで、週平均労働時間が約36時間の英国(59ドル)を大きく上回っていることが、国際労働機関(ILO)の分析で示された。
週平均労働時間が34時間のドイツとデンマークの1時間当たりGDPはそれぞれ68ドルと78ドル。21年の日本における調査からは、長時間勤務と残業はチームの生産性に打撃を与えるが、勤務時間が減ると逆に生産性は上がることが分かる。
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