機関投資家動向
論文では、将来への備えを蓄える上で最善の手法とされる株式6割・債券4割の「60/40」ポートフォリオという従来の投資アドバイスについて、30余りの国・地域を対象に130年にわたる期間について検証。その結果、国内株式と外国株式の半々で組み合わせて運用した方が、株と債券の分散ポートフォリオよりも運用成績が良いことが分かった。
論文の共同筆者の1人、アリゾナ大学のスコット・セダーバーグ氏は「株式投資家が耐えられる限り、債券に分散投資することで短期的な動きをならそうとする投資家よりも、非常に高い確率で一段と大きな利益を得ることができる」と指摘する。
メリルおよびバンク・オブ・アメリカ・プライベート・バンクのチーフ・インベストメント・オフィスでマーケット戦略の責任者を務めるジョー・クインラン氏によると、債券の重要性は値上がりの見込みだけでなく、安定性にもある。パフォーマンスにばらつきがあり不安定な株式とは異なり、債券の安定的で予測可能なリターンは、人々に金融資産をコントロールしているという感覚を与える。顧客の多くは夜中に安心して眠るためなら、潜在的な利益をあきらめることもいとわない、とクインラン氏は述べた。
日本の投資家は、国際決済銀行(BIS)のデータに基づく実質実効為替レートが約50年ぶりの円安となったことや世界的な不動産不況にもかかわらず、過去20年で最も多くの資金を投じ、海外の不動産を買い上げている。
日本の投資家は、国際決済銀行(BIS)のデータに基づく実質実効為替レートが約50年ぶりの円安となったことや世界的な不動産不況にもかかわらず、過去20年で最も多くの資金を投じ、海外の不動産を買い上げている。
ブローカーによると、日本の顧客は米国とオーストラリア、インドを中心に海外で投資を続けたいと考えている。日本国内のローリターンの現状を鑑み、収入源の分散を図る長期的視点に立つ企業がほとんどだ。円安で購買力が低下しているとはいえ、不動産不況の影響で価格は魅力的と映る。
グローバル不動産投資の経験がそれほど長くない年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のような年金基金も、全体の数字を増やしている。
ヘッジファンド運営会社ミレニアム・マネジメントは、JPモルガン・チェースのアレハンドロ・アランゴ氏をポートフォリオマネジャーとして採用した。ここ数カ月にセルサイドからヘッジファンドに移籍するトレーダーが相次いでいる。
「バリアズニーは世界的に成長・分散投資戦略を追求しており、アジアはその戦略の重要な部分を占めている」とし、「ポートフォリオマネジャーやアナリストを戦略ごとに追加し、投資ポートフォリオを拡大してきた」と述べた。
ラコスブハス氏はサンパウロでの先週のインタビューで、「市場は事実上ある種のソフトランディングを織り込みつつあり、多くが『ゴルディロックス』を予想している。これは過度に過熱も冷え込みもしない、両方の最も良い部分が発揮されるシナリオだ」と指摘。「それは非現実的だ」と語った。
むしろ、同氏は2024年に株式が危険にさらされると想定。景気減速で企業利益が圧迫され、価格決定力の低下で利益率が脅かされると見込んでいる。これに高いバリュエーションや混み合ったポジショニング、低いボラティリティーを加味すると、株式にとっては「非常に脆弱(ぜいじゃく)」な環境が整うと続けた。
同氏は来年に景気が不安定になるとみて、公益セクターなどディフェンシブ銘柄の買いを推奨。リセッションのヘッジに役立つ機会が台頭しているという。ソフトランディングが実現しても、同セクターはそれなりのリターンを生むはずだと述べた。
米金融当局が数十年ぶりの積極的な引き締めサイクルを開始した昨年以来、個人投資家がMMFに押し寄せている。MMFには金利上昇の恩恵が銀行よりも迅速に反映されている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は11月会合で政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を22年ぶり高水準の5.25-5.5%に据え置いた。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は2会合連続の利上げ見送り後、40年間で最も積極的な引き締めサイクルが終了した可能性を示唆した。来週に予定される今年最後の会合で当局は金利を据え置くと予想されている。
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