ヘッジファンドの中国株のロング(買い持ち)はショートカバーを3.5対1の割合で上回った。買いの主導は中国本土上場の人民元建てA株で、香港上場の中国本土株がその後に続いた。ゴールドマンのプライムブローカレッジチームのリポートによると、米国預託証券(ADR)の買いは低調だった。ゴールドマンが追跡する中国株11業種のうち、ヘッジファンドはヘルスケアと公益を除く9業種で買い越しとなった。買いをけん引したのは、一般消費財、生活必需品、金融、素材、工業銘柄だった。
株式投資家のセンチメントは高まり、リセッション(景気後退)観測も後退しつつある。ウォール街で今年最もよく知られる弱気派の1人となったJPモルガン・チェースのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏によれば、それでも今の状況は全て相場の大崩れに至る過程と考えられる。各国・地域中央銀行の積極的な利上げの効果がタイムラグを伴って表れることや消費者の貯蓄減少、「極めて厄介な」地政学的背景が新たな相場の下げとボラティリティーに拍車を掛ける状況にあるとコラノビッチ氏は24日に警告した。
同氏によると、今年の値上がりはボラティリティーが低く、人工知能(AI)を巡る大げさな宣伝がテクノロジー大型株の騰勢をあおる中で、「機械的な再リスキング」が起きた結果といえる。S&P500種株価指数の極度の集中が「バブルを示す兆候の可能性がある」とした上で、タイムラグを伴う金融引き締め効果が間もなくマクロ経済指標に反映されることになると同氏は予想した。
BofAセキュリティーズのサビタ・スブラマニアン氏やゴールドマン・サックス・グループのデービッド・コスティン氏らウォール街の他のストラテジストは、株価上昇を受け見通しを再考したが、コラノビッチ氏やモルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は弱気を堅持している。
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