ESG型ETFを利用した投機戦略

ETF

ESG投資とは

ESG投資は、売上高などの財務情報だけでなく、Environment(環境)・Social(社会的責任)・Governance(企業統治)といった非財務情報を考慮して、企業の長期的な成長性や持続可能性を評価しようという試みです。ESG関連の銘柄にポジティブまたはネガティブプレミアムが観測されるようであれば、投機戦略に組み込めそうです。

基本情報

今回はESG銘柄に投資するETFであるUSSG、VSGX、ESGE、NUSC、QCLN、KRMA、EAGGの7種類を比較しました。EAGGのみ債券ETFで、他は株式ETFです。

コード投資対象総コスト純資産高(e+09)
USSG米国0.093.65
VSGX米国除先進国0.152.31
ESGE新興国0.257.99
NUSC米国0.400.97
QCLN米国0.602.81
KRMA米国0.430.47
EAGG米国債券0.081.33

モメンタム指標

モメンタム指標としては期間トータルリターンを使うことが多いです。ルックバック期間としては3年までの数値がよく用いられます。

1 Month3 Month6 Month1 Year3 Year5 Year10 Year
0USSG2.638.8416.4440.89
1VSGX-0.175.499.0036.00
2ESGE1.565.657.8242.2042.5688.88
3NUSC0.795.0017.8265.1456.09
4QCLN10.771.00-1.34133.50263.69400.60388.36
5KRMA2.267.7815.1342.7265.13
6EAGG0.721.78-1.65-0.44

ベータ

ベータは、市場ポートフォリオの収益率に対する証券ポートフォリオの収益率の限界的な寄与度を示すもので、たとえばポートフォリオのベータは、$$\beta_p=\frac{\sigma_{pM}}{\sigma_M^2}$$で定義されます。定義から明らかなように、ベータは「証券ポートフォリオ収益率」の「市場ポートフォリオ収益率」の変化に対する感応度を示します。したがって、ベータが大きい証券ポートフォリオはよりボラティリティが高く、小さい証券ポートフォリオはボラティリティが低いことを意味します。

  Beta for 1 YearBeta for 3 YearsBeta for 5 YearsBeta for 10 Years
0USSG0.97NaNNaNNaN
1VSGX0.56NaNNaNNaN
2ESGE1.000.991.00NaN
3NUSC0.820.97NaNNaN
4QCLN1.001.001.001.00
5KRMA0.920.99NaNNaN
6EAGG1.00NaNNaNNaN

アルファ

すべての投資家が直面しているリスクとリターンとのトレードオフを示す直線を資本市場線(Capital Market Line, CML)といいます。CMLは無リスク金利を切片とし、市場ポートフォリオのリスク・リターンを通る直線です。同一リスクにおける証券ポートフォリオの平均収益率とCMLの差はアルファと呼ばれ、超過リターンの指標として用いられるとともに、誤った価格付けの証券を探索する指標としても用いられます。

Alpha for 1 YearAlpha for 3 YearsAlpha for 5 YearsAlpha for 10 Years
0USSG0.09NaNNaNNaN
1VSGX1.20NaNNaNNaN
2ESGE0.090.100.04NaN
3NUSC0.860.21NaNNaN
4QCLN-0.04-0.01-0.010.01
5KRMA0.17-0.02NaNNaN
6EAGG-0.01NaNNaNNaN

トレイナー測度(Treynor measure)

ポートフォリオのトレイナー測度は$$T_p=\frac{R_p-R_f}{\beta_p}$$

で定義される指標で、\(R_f\)は無リスク金利。ベータをリスク尺度とするときのポートフォリオのリスクプレミアム(超過収益性)を示します。

Treynor Ratio for 1 Year Treynor Ratio for 3 Years Treynor Ratio for 5 Years Treynor Ratio for 10 Years 
1USSG2.94NaNNaNNaN
2VSGX4.54NaNNaNNaN
3ESGE2.940.900.97NaN
4NUSC5.061.17NaNNaN
5QCLN7.083.502.601.28
6KRMA3.231.32NaNNaN
7EAGG-0.04NaNNaNNaN

シャープレシオ(Sharpe ratio)

ポートフォリのシャープレシオは$$S_p=\frac{R_p-R_f}{\sigma_p}$$

で定義される指標で、\(R_f\)は無リスク金利。ポートフォリオ収益率の標準偏差をリスク尺度とするときのポートフォリオのリスクプレミアム(超過収益性)を示します。

トレイナー測度はパフォーマンス測定の基準が十分に分散化されていることを仮定しているのに対し、シャープレシオはポートフォリオの分散も含めたリスクプレミアムを測っているため、相互補完的に用いることが多いです。

Sharpe Ratio for 1 Year Sharpe Ratio for 3 Years Sharpe Ratio for 5 Years Sharpe Ratio for 10 Years 
1USSG0.71NaNNaNNaN
2VSGX0.72NaNNaNNaN
3ESGE0.820.160.20NaN
4NUSC0.970.15NaNNaN
5QCLN0.590.340.310.16
6KRMA0.770.23NaNNaN
7EAGG-0.05NaNNaNNaN

決定係数

決定係数(coefficient of determination)は、回帰分析における線形回帰式の当てはまりを示す統計的測度であり、ベンチマークに比べてどの程度、分散化が行われているかを測る指標として用いられます。投機の必要性との関連では、ベンチマークとの相関を測る指標としての有用性が高いと思います。

R-Squared for 1 Year R-Squared for 3 Years R-Squared for 5 Years R-Squared for 10 Years 
1USSG0.99NaNNaNNaN
2VSGX0.85NaNNaNNaN
3ESGE0.970.990.99NaN
4NUSC0.950.98NaNNaN
5QCLN1.001.001.001.00
6KRMA0.980.99NaNNaN
7EAGG1.00NaNNaNNaN

免責事項

記事は、一般的な情報提供のみを目的としてのみ作成したものであり、投資家に対する有価証券の売買の推奨や勧誘を目的としたものではありません。また、記事は信頼できると判断した資料およびデータ等により作成しておりますが、その正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果や市場環境も保証されません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断でなされますようお願いします。

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