機関投資家動向
リチャーズ氏は米国債に加え、利下げが見込まれる韓国とオーストラリアの国債も選好している。ただ、日本の国債は米国など他の国々との金利差が大きいため、投資を避けていると明らかにした。
ジュピター・アセット・マネジメントのファンドは、米国債保有を過去最高水準に引き上げている。米経済がハードランディングに向かうと予測しているためだ。
ロンドン在住のファンドマネジャー、ハリー・リチャーズ氏はシンガポールでのインタビューで、米国のリセッション(景気後退)は連邦準備制度が今後の緩和サイクルで政策金利を最大で計4ポイント引き下げる可能性を意味すると語った。
「残念ながら、最終的な行き着く先はハードランディングだと考えている」とし、平均的な利下げサイクルが350-375ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)だとすると、「今回のサイクルでは400bpの利下げもあり得ない話ではない」と述べた。
ビジョン・ファンド1(SVF1)とビジョン・ファンド2(SVF2)を運営するソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズ(SBIA)の共同最高経営責任者(CEO)、アレックス・クラベル氏は、ファンドは生成AI関連企業を「非常に注意深く見ている」としながらも、投資は賢く行うつもりだと述べた。
昨年11月の別の提出資料でサイオンはSOXXに関連するプットオプション10万枚の保有を報告していた。9月末の同ファンド終値に基づくと、プットオプションの想定元本は4740万ドル(現在のレートで約71億円)だった。
今回の報告によると、サイオンは10-12月期のある時点でこのポジションを手じまいした。一方、SOXXはこの期間に22%上昇した。人工知能(AI)がもてはやされる中で半導体株の上昇が続いた。
サイオンはポートフォリオ再編の一環として、ヘルスケアやハイテク、金融など一部の分野で新たなポジションを構築した。新規ポジションはHCAヘルスケアやオラクル、シティグループ、CVSヘルスで、それぞれ500万ドル超相当だった。また、アリババグループとJDドットコム(京東)のポジションを引き上げ、保有銘柄のトップに据えた。23年4-6月(第2四半期)には両銘柄の米上場株を手放していた。
15日の行内文書によればマネジングディレクターには週4日のオフィス出社が義務付けられるほか、その他の従業員も少なくとも週3日のオフィス勤務が求められる。ブルームバーグが同文書を確認した。6月から実施されるという。同行の広報担当者は文書の内容を確認した。
人工知能(AI)投資ブームの中核を担う米半導体大手エヌビディアは、英アーム・ホールディングス、米サウンドハウンドAI、米バイオテクノロジー企業リカージョン・ファーマシューティカルズに投資していることを明らかにした。
エヌビディアの保有銘柄の中でアーム株の持ち分はドルベースで最大で、1億4730万ドル(約220億円)に上る。リカージョンの持ち株は7600万ドル、サウンドハウンドの持ち分は367万ドル。エヌビディアはまた、医療用画像開発会社ナノエックス・イメージングと自動運転会社トゥーシンプル・ホールディングスの株式保有も開示している。
ヘッジファンドは10-12月期に米アマゾン・ドット・コム株約1480万株を買い増し、銘柄別では時価ベースで最大の増加となった。ブルームバーグが13Fのデータを分析したところによると、ヘッジファンドはAIのパイオニア、インテルやエヌビディアのポジションも拡大した。
一方、メタ・プラットフォームズは例外で、ヘッジファンドは同社株を約660万株売り越した。メタ株が同四半期に18%上昇する間に利益確定に動いたことが示唆された。
ウォール街のファンドマネジャーは10-12月期に、米金融当局の積極的な利上げサイクルの見通しや、それが株式のバリュエーションに与える影響を注視してきた。ハイテク株の比重の高いナスダック100指数は23年に54%上昇し、1999年以来の大幅な上げを記録。S&P500種株価指数は昨年に24%上昇し、今年に入っても最高値を更新している。
一方、データによると、ヘッジファンドのナイキやファイザーへの投資額は減少した。個別のヘッジファンドでは、マイケル・バーリ氏の投資会社サイオン・アセット・マネジメントが半導体株の下げを見込んだ取引を解消し、ヘルスケアなどの分野で新たなポジションを構築した。
セクター別では、ヘッジファンドのポートフォリオで最も大きな割合を占めたのはテクノロジー(25%)で、一般消費財(15%)がそれに続いた。テクノロジー銘柄への投資額が全セクターで最大の伸びとなった一方で、公益銘柄への投資額の伸びは最小となった。
米著名投資家マイケル・バーリ氏は、中国株の低迷が深まっているにもかかわらず、この数カ月間に中国のテクノロジー大手アリババグループとJDドットコム(京東)への投資を拡大した。バーリ氏は2008年の米住宅バブル崩壊の予測を的中させたことで知られ、マイケル・ルイス氏の著書「世紀の空売り」でも取り上げられた。
最新の株式保有報告書「フォーム13F」によれば、バーリ氏率いるサイオン・アセット・マネジメントは、中国最大のインターネット小売業者であるアリババの株式保有を23年10-12月(第4四半期)に50%拡大。同社株の下落が続く中での逆張り投資で現在の持ち分は581万ドル(約8億7200万円)相当と、サイオンの保有銘柄で最も大きい。JD株も7万5000株買い増し579万ドル相当と、サイオンで2位の保有銘柄となった。
アリババとJDへのバーリ氏の投資は今回が初めてではない。中国が新型コロナウイルス禍から抜け出そうとしていた22年末に両社の米上場株を取得したが、23年4-6月(第2四半期)には全持ち株を売却していた。
日本の内閣府は15日、2023年10~12月の国内総生産(GDP)を発表した。2四半期連続でマイナス成長となり、日本は予想外の景気後退(リセッション)に入った。世界3位の経済大国の地位をドイツに奪われた可能性もある。
内閣府によると、2023年10~12月のGDPは前期(7~9月)比0.1%減だった。この状態が1年続く場合の年率換算は0.4%減となり、予想されていた以上に低下した。
エコノミストのニール・ニューマン氏は、最新の統計によると2023年の日本の経済規模は約4.2兆ドル(約630兆円)、ドイツは4.4兆ドル(約660兆円)だとBBCに説明した。
これはドルに対する円安の影響を受けており、もし円が回復すれば日本がナンバー3の座を取り戻す可能性があると、ニューマン氏は付け加えた。
アクティビスト(物言う投資家)ショートセラーのネイト・アンダーソン氏率いるヒンデンブルグは昨年、 ゴータム・アダニ、ジャック・ドーシー、カール・アイカーンの3氏ら著名実業家の企業帝国を相手に空売りを仕掛け、一躍脚光を浴びた。ヒンデンブルグがリポートを発表した後の株価急落で3氏の上場企業は一時、合計で1700億ドルを超える時価総額を失った。
スイスのチューリヒ市場でテメノス株は一時34%下落し、2002年以来の大幅安。この急落で一時取引停止となり、29%安で取引が再開された。時価総額は19年に付けた130億スイス・フラン(約2兆2200億円)のピーク時に比べ、いまや3分の1程度となった。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、タムリン・ベーソン氏は、「散々だった22年」の後を受けた23年の決算でテメノスには「前向きなセンチメント」が生まれていたものの、リポートでそれが後退する恐れがあると指摘した。同社は2月20日に予定するキャピタル・マーケッツ・デーでヒンデンブルグの主張に対応する可能性もあると付け加えた。
昨年のプライベート・エクイティ(PE、未公開株)ファンドが投資家へ還元した現金は15年前の金融危機以来の低さだったことが、米金融サービス会社レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャルの調査で示された。
レイモンド・ジェームズによれば、いわゆるリミテッドパートナーへの分配はファンドの純資産総額の11.2%と、2009年以来の低さとなり、過去25年間の中央値である25%を大きく下回った。
金利上昇や不安定な市場、経済の不確実さにより、PE投資企業が売却や新規株式公開(IPO)を通じて既存投資を終了することが難しくなっている。
調査によると、昨年すべてのコストを転嫁したマルチストラテジー・ファンドが上げた利益1ドルに対して、顧客が受け取ったのは41セントだった。その割合は2021年の54セントから減少しており、人気の高いファンドがコストに関して実質的に何ら縛りを受けていないという、驚くべき新たな現実を反映している。
これは、かつて「2プラス20」モデルで知られた業界の標準からは大きなかい離となる。顧客は従来、投資額の2%を一律の手数料として支払い、さらにファンドが一定基準以上の利益を上げた場合には、その20%を支払うことになっていた。
だが、マルチストラテジー・ファンドは手数料体系を根底から覆した。取引リスクを多くのチームに分散させるという手法が評価され、マルチストラテジー・ファンドに顧客の資金が殺到したことが背景にある。こうした需要の急増に伴い、ボーナス、リサーチ、接待、その他の経費を顧客に請求できる「パススルー手数料」を導入する動きが出てきた。
バークレイズの調査ではまた、投資家は今年ヘッジファンドに資金を投じる際に、リスクフリーでのリターン上昇を織り込み、9%のリターンを目標としていることが明らかになった。従来目標とされていたリターンは約7%で、ファンドに対し高パフォーマンスを求める圧力が強まっていることが分かる。
ニューヨーク(CNN) 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが2023年10~12月期にアップル株を1000万株売却したことが分かった。これは同社が保有するアップル株の約1%に当たる。
バークシャーは依然としてアップル株を9億500万株保有しており、時価総額は約1740億ドル(約26兆1260億円)に上る。これはアップル株全体の6%、バークシャーのポートフォリオ全体の5分の1に当たる。
金融環境逼迫(ひっぱく)の指標とみなされるインフレ調整後の債券利回りは、株式市場のバブルが崩壊するか判断する一つの目安だとマイケル・ハートネット氏率いるチームは記述。同氏らの計算では、世界の金融システムにあふれかえる大量の債務を踏まえ、人工知能(AI)や大型ハイテクへ株への投資家の熱狂を終わらせるには、インフレを差し引いた米10年債実質利回りが2.5-3%に達する必要がある。現行水準は約2%。
バリュエーションも理由の一つだ。マグニフィセント・セブンの株価収益率(PER)は45倍と、どう考えても割高だ。しかし過去の株価上昇局面では、株価がピークに達する前にPERがさらにもっと極端な水準に達していたことがハートネット氏の調査で示されている。日本株は1989年に67倍、ナスダック総合指数は2000年に65倍にそれぞれなっていたという。
「決して安くはないが、バブルの高値ではもっと高いバリュエーションが見られたことも事実だ」と記した。
今回の削減で影響を受けるのは、資産運用事業の従業員の1%未満だと、事情に詳しい関係者は明らかにした。モルガン・スタンレーで最大部門である同事業は約4万人の従業員を抱える。
香港の10大民間住宅団地の販売は春節(旧正月)連休中にゼロとなった。同連休中にゼロとなったのは2010年の記録開始以来初めて。不動産仲介業者ミッドランド・リアルティー(美聯物業)のデータで明らかになった。
今回のデータを受け、金利上昇や中国経済の減速が打撃を及ぼす中、香港の住宅不況が長引く兆候が一段と強まった。2023年に中古住宅販売は28年ぶり低水準に落ち込んだ。中原地産のデータによると、中古住宅価格は2月4日終了週に1.15%下落し、週間ベースで約3カ月ぶりの大幅な下げとなった。価格は17年以来の安値となっている。
ファミリーオフィスのポートフォリオに占める株式の割合は昨年、2020年に比べて減少していた。米プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社KKRの調査で分かった。
KKRファミリーキャピタル調査に関する13日のリポートによると、対象となったファミリーオフィスの平均総資産に占める上場株式の割合は29%と、20年の31%から低下。代わりにファミリーオフィスは実物資産に目を向け、その比率は23年に平均15%と20年の13%から上昇した。リポートは、75人以上の最高投資責任者(CIO)を調査対象としている。
レイ・ダリオ氏が有名にした分散型のクオンツ戦略にとって、13日に発表された1月の米消費者物価(CPI)統計が新たな逆風となった。金融政策がタカ派的だった時期にウォール街が受けた痛手を想起させる。
CPIのコア指数が8カ月ぶりの高い伸びとなり、株式と債券がそろって値下がりしたことで、上場投資信託(ETF)「RPARリスクパリティーETF」(ティッカー:RPAR)は1.7%下落した。さまざまな市況を通じて安定したリターンを生み出す仕組みのETFだが、今年に入ってから4.5%のマイナスだ。
金融引き締めに伴う株式と債券の相関が「全天候型」分散投資モデルに損失をもたらすというものだ。債券は米金融当局の積極的なインフレ対策の犠牲となり、リスクパリティーは22年の弱気局面のような乱高下に再び直面している。
エンジェルス・インベストメンツのマイケル・ローゼン最高投資責任者(CIO)は、「これが一時的とは思わない」とし、「リスクパリティーは、株式と債券の負の相関関係が前提だ。過去20年余りはそうだったが、常態ではなくなり、今はそうでなくなっている可能性がある」と指摘した。
13日の米株式市場でS&P500種株価指数がここ1年2カ月で最大の下げを記録し、「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)が昨年11月前半以来の高水準となった。これを受け、トレーダーは期近のVIXコールオプションを売った。
インフレ連動債(TIPS)投資に特化した米上場投資信託(ETF)上位10本の合計資産は2022年序盤に990億ドル(約14兆7900億円)超とピークに達したが、その後の資金流出や資本損失で約570億ドルに急減した。これは、1980年代初め以来の大規模な消費者物価高騰に先立つ20年後半の水準。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのマルチセクター債券投資責任者、リンジー・ロスナー氏はTIPSのフローについて「コロナ禍後に大きく伸びた」とした上で、「今は成長がソフトランディング(軟着陸)の様相にあり、インフレに対するプロテクションの必要性は低下している。この種のポートフォリオ配分は需要が縮小している」と分析した。
英ヘッジファンドのロコス・キャピタル・マネジメントはエヌビディア株を25万4000株余り取得し、12月末時点で保有株の価値は1億2600万ドルを超えた。
レイ・ダリオ氏のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツもエヌビディア株の保有数を458%拡大し、約26万8000株にした。12月末時点の保有株価値は1億3300万ドルだった。 もっと見る
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