機関投資家動向
ゴールドマンのマネジングディレクターで、20年にわたり資金フローを研究してきたスコット・ラブナー氏は、「11月の株式と債券の需要は私が記憶している中で最大級だ。月末まではシステマチック・ヘッジファンド、コーポレート・ヘッジファンド、一任ヘッジファンドからの需要が続くと見ている。今日で基調は大きく変わり、センチメントは年末ラリーを支持する方向に変化した」と指摘した。
ヘッジファンド運営会社ショーンフェルド・ストラテジック・アドバイザーズは、イジー・イングランダー氏率いる同業ミレニアム・マネジメントとの提携交渉を打ち切った。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
アジアの複数のヘッジファンド運営会社が、シタデルやミレニアム・マネジメントなどグローバル大手を模倣し、従業員の報酬や生命保険を含むさまざまな費用をカバーするため、顧客から追加料金を徴収し始めている。優秀な人材を引き付けることが狙いだ。
香港に拠点を置くナイン・マスツ・キャピタルは最近、顧客がさまざまな経費を負担する、いわゆる「パススルー」モデルを導入。サザン・リッジズ・キャピタルは同モデルを昨年採用した。一方、ピンポイント・アセット・マネジメントは、この料金体系を利用して3つの新しい株式クラスを創設した。事情に詳しい複数の関係者の情報や、ブルームバーグ・ニュースが確認したニュースレターで分かった。
ヘッジファンド投資家のマイケル・バーリ氏が創業したサイオン・アセット・マネジメントは、S&P500種株価指数とナスダック100指数の下げ方向に賭ける投資を9月末時点でやめ、米エヌビディアを含む半導体株バスケットの価格下落を見越した投資を行った。
コスティン氏は「来年の今頃にポートフォリオマネジャーは過去を振り返って、2024年最良の投資戦略はテイラー・スウィフトのアルバム『1989』の収録曲『All You Had To Do Was Stay』のアドバイスに従い、stay Invested、つまり投資を続けることだったと気付くだろう」と述べ、この曲は「断続的なボラティリティーにもかかわらず、ファンドマネジャーは来年末まで投資を続けることで最終的に報われるだろうという当社の基本シナリオを反映している」と説明した。
アクティビスト(物言う株主)の米バリューアクト・キャピタル(VALUEACT CAPITAL MANAGEMENT LP)は、米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーの株式を大量に取得した。部外秘の情報を理由に匿名で関係者が明らかにした。業界の歴史的な変化と闘うディズニーに物言う株主の圧力が強まっている。
別の著名なアクティビストであるネルソン・ペルツ氏も、自身のトライアン・ファンド・マネジメントを通じてディズニーへの出資比率を高め、取締役会に複数の取締役を送り込もうとしている。
資産家で著名投資家のスタンレー・ドラッケンミラー氏のファミリーオフィスは、7-9月(第3四半期)に人工知能(AI)ブームの申し子とも言えるエヌビディア株の持ち分を減らし、利益を一部確定した。
一方、資産家で著名投資家のジョージ・ソロス氏のファミリーオフィス、ソロス・ファンド・マネジメント(SFM)は7-9月にエヌビディア株を最大で490万ドル相当を売却し、投資を手じまった。また新興の電気自動車(EV)メーカー、リビアン・オートモーティブの持ち株を売却する一方、英バイオテクノロジー企業アブカムの株式を1億ドル余り買い増した。
世界の一部大都市で、高級住宅の賃貸料が急上昇している。限られた供給に加え、物件探し中の人々の焦りと新型コロナウイルス禍後の住民の戻りが影響した。
世界10都市を対象に調査を行っている不動産会社ナイト・フランクによると、市場の上位5%と定義されるプライム住宅の賃貸料は9月までの1年間に平均で7.9%上昇。シンガポールの上昇率は14.5%、ロンドンは11.2%だった。シドニーでは住宅建設が制限される中、18.3%と最大の伸びとなった。
ナイト・フランクのグローバル調査責任者、リアム・ベイリー氏は「需要が非常に旺盛で供給が弱い市場でも、大きく上昇した家賃に借り手が対応できなくなる時期がいずれ来る」と述べた。
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは、7-9月(第3四半期)にポートフォリオで保有する株式数を減らした。ゼネラル・モーターズ(GM)とアクティビジョン・ブリザードの株式を全て手放し、HPなどへの投資を縮小した。
バークシャーは今年に入り株式を売り越しており、1-9月の売却益は約236億ドル。同社はこうした株式売却で、容易に運用できるよりも多くの資金を抱えるという高次元の悩みを抱えている。確保した資金の多くは米短期国債に向けられ、過去最高の1570億ドルの手元資金を積み上げる一因となった。
サマーズ氏はここ1年のインフレ鈍化について「いろいろ考えた」と説明。同氏が最初に挙げた主因は、米金融当局が予想以上に政策を引き締めたことだ。「これはインフレ懸念に根拠がなかったわけではなく、人々がその懸念を真剣に受け止めたことを意味する」と述べた。
インフレ率を連邦準備制度の目標である2%に戻す道のりは、投資家の想定以上に困難となる可能性があると同氏は警告。そして、大幅な景気低迷なしに物価上昇率が2%に戻るような経済の「ソフトランディング(軟着陸)」はなお見込めないとあらためて指摘した。
インフレ調整後の所得が最近好調であることなどの要因を考慮すると、2024年1-6月(上期)にリセッション(景気後退)入りする確率は20-25%にとどまるという。ただ、「一部の勝利宣言は若干時期尚早のように思われる」と述べた。
リセッションが懸念材料から外れたとの期待から今週に入り小売株が上昇したことは、市場の反応としては賢明とは思えないとし、「一部の人々は『マザー・フェド(母なる連邦準備制度)』を過信しているのかもしれない」と語った。
「特に原油や他の幾つかの商品を巡る地政学リスクを踏まえると、今後2年間のインフレ率が市場の期待ほど良好な数字になるとは確信できない」というのが同氏の見立てだ。
米国のマネー・マーケット・ファンド(MMF)の資産残高は2週連続で過去最高を更新した。5%を超える金利や債券市場のボラティリティー上昇を受け、投資家が安全資産に向かった。
ジェフリーズの外国為替グローバル責任者ブラッド・ベクテル氏(ニューヨーク在勤)は、投機的なトレーダーが今後、円に対してさらに悲観的になる可能性が高いと予想。「円はショート」だが、それ以外の通貨は何でも円に対してロングというのが「実際だ」と述べた。
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