運用資産1兆3000億ドル(約175兆円)規模のノルウェー政府系ファンド(SWF)は、今年上期の運用損失が半期として過去最大に上った。利上げやインフレ高進、ロシアのウクライナ侵攻でボラティリティーが上昇したことが背景にある。17日の発表によれば、1-6月の運用成績はマイナス14.4%。ノルウェー・クローネベースでの上期の損失は過去最悪。ドル換算で損失額は1740億ドルとなる。
米国に先月上場した香港の金融サービス会社、尚乗数科(AMTDデジタル)の預託証券は、従来のどの指標で見ても世界で最も割高感の強い銘柄の一つとなっている。辛うじて黒字となっている尚乗数科の米国預託証券(ADR)は、直近年度の利益ベースで株価収益率(PER)が400倍を超える。
中国本土や香港に本社を置く銘柄の下落を見込んだ取引で知られるブルー・オルカ・キャピタルのソレン・アーンダール氏はインタビューで、「プロの空売り投資家として、この銘柄からは距離を置いておきたい」と語り、「ボラティリティーが半端でなく実に危険だ」と漏らす。
AMCエンターテインメント・ホールディングスやゲームストップ株の値上がりは、ショートスクイーズ(踏み上げ)を狙った個人投資家による協調的な取り組みによって拍車が掛かったが、尚乗数科の場合は「非常に奇妙なケースのように見受けられる」とテリマーのアナリスト、ニルグナン・ティルチェルバム氏は語る。ブルー・オルカのアーンダール氏は「空売りするならもっと簡単な銘柄が他にある」とも述べた。
オンラインゲームや電子商取引を手掛けるシンガポールのシーの4-6月(第2四半期)決算は予想より大きな赤字となり、同社は今年の電子商取引収入の見通しを撤回した。オンライン大手各社は、不透明感を増す世界経済の先行きを読み取るのに苦戦している。16日の発表資料によると、4-6月期の調整後EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前損益)は5億630万ドル(約680億円)の赤字。アナリストの予想平均は4億8230万ドルの赤字だった。純損失は約9億3100万ドルと前年同期比で2倍余りに膨らんだ。
完璧な指標とは、S&P500種株価指数の実績PER(株価収益率)と米消費者物価指数を組み合わせたものだ。1950年代以降、あらゆる相場の谷においてこの指標は20を割り込んできた。だが今年は、相場に打撃を与えてきた一連の売り圧力の中でも、まだ27までしか下がっていないという。サビタ・スブラマニアン氏らBofAのストラテジストはリポートで、「完璧な実績を持つ指標がルール20だ」と説明。インフレ率がゼロ%になるか、S&P500が2500まで下げるかしない限り、この指標が相場の底入れを示すのに十分な水準まで低下するには50%のアーニングサプライズが必要になると付け加えた。同氏らの見方ではこれは「達成不可能」だ。
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