米国債利回りの急上昇を背景に、ヘッジファンドは、13日まで7営業日連続で米国株式を売却。過去2営業日のドル建ての売却額は、ゴールドマンのプライムブローカー部門がデータの追跡を開始した2008年4月以降で最高水準。
アベニュー・キャピタル・グループのマーク・ラスリーCEOは、リセッション懸念が十分にあるからといって、押し目買いしない理由はないとし、下降局面は「かなり短期」にとどまると見込んでいる。仮想通貨市場についてはネガティブ。
オメガ・アドバイザーズのレオン・クーパーマン会長兼CEOは原油価格もしくは米金融政策を起因としたリセッション入りを肯定したうえで、S&Pは最大で過去最高値から40%下落する可能性があるとした。
BofAの月次ファンドマネジャー調査によれば、世界の企業利益予想は08年の水準まで落ち込んでいる。ポジショニングに関しては、投資家は現金と米ドル、商品、ヘルスケアおよび資源株、バリュー株をロングにし、債券と欧州および新興市場株、ハイテク株、消費関連株をショートにしている。
ヘッジファンドのブルーベイ・アセット・マネジメントのCIO、マーク・ダウディング氏は、日銀のYCCは「維持不可能」だとし、「かなりの額の日本国債をショートしている」と語った。元GSのチーフ通貨エコノミスト、ジム・オニール氏やJPMAMのシーマス・マクゴレーン氏も日銀が最終的に金利を巡る姿勢を転換させると予想している。オーストラリア準備銀行が昨年11月にYCCを放棄したことも背景にある。
米国債の2年物利回りは10年物を上回り、4月以来の長短逆転。5年債利回りは一時30年債を17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回り20年余りで最大の逆イールドを記録するなど、リセッション懸念が高まっている。野村HDのアンドルー・タイスハースト金利ストラテジスト「米国債の逆イールドは、市場参加者が本物の景気後退リスクがあるとみている明確なシグナルだ」
クオンツトレーダーは、株式や他のリスク資産のエクスポージャーをぎりぎりまで減らしている。数週間続く売りに伴い、ドイツ銀行の二つの標準偏差が示すシステミックポジショニングは、2010年以降のデータの平均的水準を下回った。株式などの資産のインプライド・ボラティリティーも、FOMC前としては過去10年余り見られなかった水準で、誰もが現金に逃避している。
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