ゴールドマンのストラテジスト、シーザー・マースリー、ジョリーン・ジョン両氏は1日付のリポートで、過去の下落局面を分析した結果、米国がリセッション入りすると、新興市場の株価はさらに8-15%下落する可能性があると指摘した。だが、MSCI中国指数には好機となり、マクロ経済指標の改善とともに上昇する可能性があるとの見方を示した。
ブルームバーグ・インテリジェンスのジーナ・マーティン・アダムズ株式戦略ディレクターによると、米企業の約35%はドル高が1株利益を著しく損ねるのに十分な対外エクスポージャーを有している。これらには、複雑なグローバル事業を通じ国外で売り上げの3分の1強を生み出すことができる米最大級のテクノロジー企業が多く含まれている。クラウドベースの顧客管理ソフトウエアで業界をリードするセールスフォースは5月31日、通期の利益予想を上方修正したが、ドル高を理由に通期売上高に対し見込まれる為替の悪影響を6億ドル(約800億円)と倍に引き上げた。
円は下落が続いており、4-6月(第2四半期)に対ドルで12%近く下落。ドル・円相場は6月に月足で4カ月連続でボリンジャーバンドの上端を上回った。これはまれなパターンで、モメンタム指標の記録的な高水準と並行して起こっていることを踏まえると、ドルに夢中の投資家にとっては警戒シグナルだ。前回こうしたシグナルが発生したのは1ドル=121円付近で推移していた2014年12月。当時、ドル・円はモメンタムの指標である月足の相対力指数(RSI)が80を上回り、「買われ過ぎ」の領域に入っていた。4カ月にわたり横ばいとなった後、ドルはわずかに上昇しピークを付けた。ドルは121円から急落し、その後1年1カ月で100円を割り込んだ。
ソフトバンクグループのビジョン・ファンドが保有する資産価値は、アナリストの分析によると、2022年4-6月期(第1四半期)に1兆円以上減少した可能性がある。出資する上場企業の株価が大きく下落したためだ。投資調査会社レデックス・リサーチのアナリストであるカーク・ブードリー氏は1日の取材で、動画投稿アプリ「ティックトック」を運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)のような「知名度の高い投資先の企業価値が下がっている可能性があり、幾つかの上場候補も実現せず、未上場ポートフォリオのバリュエーションは下がる余地がある」と指摘した。ソフトバンクGは前期(22年3月期)決算で、過去最大の赤字となる1兆7080億円の純損失を計上した。ビジョン・ファンドの投資先企業の価値が目減りしたためで、この流れが継続した可能性が高まっている。3月末時点のビジョン・ファンド1号の保有投資先の公正価値合計は786億ドル、2号ファンドは460億ドル。孫社長は6月24日の株主総会で、中国のビジネス環境について問われ、「政府の方針が影響する。どういう方針が打ち出されるのか、われわれには分かりにくいので、方針が明確になるまで無茶をしない」と発言。一方、AIを使ったユニコーン企業は単なる中小企業とは別で、「進化のためのビジョンがある」とし、新興AI企業に対する投資の有効性を強調した。
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