昔ながらの株式60%/債券40%ポートフォリオ戦略は、4-6月(第2四半期)のこれまでのリターンがマイナス約14%と落ち込んだ。JPMAMのグローバル・マルチアセット戦略責任者ジョン・ビルトン氏は「成長を人々が懸念しているとすれば、債券は現行利回り水準の下ではるかに優れた投資分散の手段に今やなりつつある。インフレを心配し過ぎることをやめ、成長の着地点をもう少し心配するようになれば、債券はポートフォリオにとって重要だ」との見方を示す。これに対し、GS Intl. のポートフォリオ戦略&アセットアロケーション責任者クリスチャンミューラー・グリスマン氏は「米国債利回りの弱気ショックの可能性はなお存在する。ポートフォリオを保全する新たな手段を準備し、債券だけに依存することをやめる必要がある」と指摘した。
市場は「すべて買う」から「すべて売る」に急速に変化し、数年続いた「TINA(There Is No Alternative、他の選択肢はない)」としての株式の位置付けも過去のものとなっている。abrdn(旧スタンダード・ライフ・アバディーン)の投資ディレクター、ジェームズ・アシー氏は「しばらくの間、TINAは完全に終わりだ」と指摘。「インフレ率が8%であれば実質ベースで投資妙味はほとんどない」と語った。
HSBCグローバルリサーチのマルチアセットチーフストラテジスト、マックス・ケトナー氏は、株式は他の資産クラスと比較して景気後退(リセッション)を十分に織り込んでいないと指摘。「全体として見れば、これは夏の間にリスク資産が一段と下がることを意味する」と述べた。
S&P500種は2000年から02年には51%下落し、世界金融危機時には58%下げた。モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は、20%余り下げた米株だが、企業利益を巡るリスクをまだ完全には織り込んでいないとみている。同氏は昨年12月時点で数少ない弱気派の1人だった。
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